
テスラCEOのイーロン・マスク氏と公然と論争を繰り広げた米民主党のマーク・ケリー上院議員(アリゾナ州選出)が、自身が所有するテスラ車を手放す意向を表明した。
ケリー議員は14日(現地時間)、X(旧ツイッター)に「ロケットのように速いからテスラを購入したが、今ではこの車を運転するたびに、政府を揺るがし人々を傷つける人物の広告塔になったような気がする」と投稿し、「だからテスラ、君はクビだ!」と締めくくった。
同時に投稿した動画では「今日が私のテスラでワシントンへの最後の通勤となる」と述べ、「この2か月余り、この車に乗るたびにマスク氏とドナルド・トランプ大統領が我が国にもたらしている甚大な被害を思い出さざるを得なかった」と語った。
さらに「彼が大量解雇を画策しているのは、人々の生活を破壊し、自身のような億万長者に巨額の減税をもたらすためだ」と厳しく批判し「もはやこの車を手放すべき時だ」と付け加えた。
これに先立ち、マスク氏は10日にXへの投稿で、ケリー議員のウクライナ訪問を「反逆者」と非難していた。
トランプ政権がウクライナへの援助を停止して和平協定の締結を促そうとした直後に、ケリー議員がウクライナを訪問したことが理由だった。
これに対しケリー議員は「政府の仕事から手を引いてスペースXの経営に専念しろ」とマスク氏に反論した。
ケリー議員は元海軍将校で、湾岸戦争時には「砂漠の嵐作戦」に数十回参加。その後米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士として4度の宇宙飛行を経験した。
NASA出身の政治家である彼は、宇宙企業のスペースXを率いるマスク氏と長年の付き合いがあり、マスク氏がトランプ大統領支持を表明する以前はテスラ車を称賛していた。
しかし、前回の大統領選でケリー議員が、民主党の大統領候補だったカマラ・ハリス氏の副大統領候補として名前が挙がっていたこともあり、最近ではトランプ政権の公務員削減と公共支出削減を主導するマスク氏に対して、ますます厳しい姿勢を示していると米メディアは指摘している。