
今回の大阪・関西万博の目玉の一つとして、火星から飛来した隕石(写真)が注目を集めている。この隕石はラグビーボールほどの大きさで、2000年に日本の南極観測隊が昭和基地近くで採取したもので、約1,300万年前に火星から飛来し、数万年前に地球に到達したと推定されている。火星由来の石としては世界最大級の大きさを誇り、一般公開されるのは今回の万博が初めてとなる。
火星隕石が注目を集めるもう一つの理由は、米国のドナルド・トランプ大統領がこの石を見に来る可能性があることだ。きっかけは、先月ホワイトハウスで行われた日米首脳会談だ。その際、石破茂首相がトランプ大統領との昼食会で「55年前の大阪万博では『アメリカ館』が最も人気があった」と触れ、トランプ大統領が「(今年開催される大阪・関西万博期間中の)アメリカデーはいつか」と尋ねた。石破首相が「7月19日」と答えると、トランプ大統領は年内の日本公式訪問を要請し、これを受け入れた。
石破首相は会談後の記者会見で、トランプ大統領が万博に関心を示したことを明かし、万博期間に合わせて訪日時期を調整する意向を示唆した。これを受け、政府は7月19日前後でのトランプ大統領の訪日日程を検討していると伝えられている。
日本側はこの隕石が日米友好の象徴となることを期待している。毎日新聞はトランプ大統領が「火星に星条旗を立てる」と繰り返し発言していることや、トランプ大統領の側近で政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスク氏が火星開拓を推進していることから、この隕石が特別な意味を持つと指摘している。
トランプ大統領の来日は万博の集客にも寄与することが期待されている。先月時点で、入場券販売は目標1,400万枚の56.8%に当たる796万枚しか売れていない状況だ。今回は「並ばない万博」を目指し、事前に来場日を指定する電子チケットを導入したが、これが販売不振の一因となっている。