
アップルが人工知能(AI)アシスタント「Siri」の発売延期を発表した後、社内の雰囲気が混乱していることが明らかになった。
10日(現地時間)、複数の海外主要メディアの報道によると、アップルは声明で「アップグレードされたSiri機能の提供には予想以上に時間がかかる」とし、「来年の発売を予定している」と発表した。
市場では、アップルの発表前から、ユーザーの文脈を理解し、自然な会話をサポートするだけでなく、アプリを精密に制御できる機能だと期待が高まっていた。この機能は、来月4月のiOS 18.4ソフトウェアアップデートで公開されるとの見方も広がっていた。
しかし、発売延期により、一部ではアップルがAIモデルのトレーニング用GPUの確保に苦戦しているとの分析も浮上。また、この部門がリーダーシップ問題で人材流出に直面しているとの指摘も出ている。
こうした状況の中、米IT専門メディア「ザ・バージ」は14日、アップルのSiriチームを率いるロビー・ウォーカー主導の会議内容を入手したブルームバーグ通信の報道を引用し、「Siriの状況は予想以上に深刻だ」と伝えた。
この会議でウォーカー氏は、Siriの遅延を「醜い」状況だと表現し、会社の決定に落胆している社員たちを慰めたという。
また彼は、「会社が見送ったSiri機能を今年のiOS 19に組み込むことを目標にしているが、その実現可能性は不透明だ」と社員に説明した。
Siri開発チームとマーケティングチームの間で発売前に対立があったことをうかがわせる発言もあった。
ウォーカー氏は「マーケティングチームはSiriがユーザーの文脈を理解し、それに基づいて機能を実行できることを望み、その機能をプロモーションの目玉にしたがっていたが、実際にはまだ準備が整っていなかった」と明かした。
昨年6月の世界開発者会議(WWDC)でチラ見せされたSiriの機能が顧客の期待値を必要以上に高め、状況をさらに悪化させたとの不満も口にした。
ウォーカー氏は社員に「顧客は新機能だけでなく、完成度の高いSiriも求めている」とし、「これらの機能やさらに多くの機能の準備が整い次第、速やかに提供する」と強調した。