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2025年03月20日木曜日
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世界が注目すべき北朝鮮の人道的危機…栄養失調、結核、そして衛生問題が引き起こす絶望的な状況

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

北朝鮮の人口の約半数が栄養失調に陥っていると推定されている。慢性的な食糧不足やワクチン未接種などが影響し、結核の発症も増加傾向にある。

18日(現地時間)、エリザベス・サルモン国連北朝鮮人権特別報告官が最近、国連人権理事会に提出した報告書によると、北朝鮮の栄養失調有病率は2020年からの3年間で平均45.5%に達したという。これは国連食糧農業機関(FAO)などが把握したデータに基づくもので、報告書では同期間に約1180万人が栄養失調に苦しんだと推定している。報告書は、北朝鮮が食糧増産に取り組んできたにもかかわらず、老朽化した生産インフラや劣悪な技術、投資不足、自然災害などが原因で慢性的な食糧不安が続いていると指摘している。また、報告書は「北朝鮮が市場などの民間商業活動を制限し、米やトウモロコシなどの必需品の流通を国家独占に戻したことが食糧難を深刻化させた」と述べている。

保健・衛生環境も大きな課題となっている。北朝鮮は世界保健機関(WHO)が指摘する多剤耐性結核の高負担国30カ国のひとつに含まれている。報告書によれば、「栄養失調や厳しい寒さにより結核が増加しているとの報告がある」という。パンデミック前、北朝鮮の国家予防接種率は96%を超えていたが、2021年の半ばには42%以下に低下し、2022年には結核などの主要な疾病に対する予防接種を受けた子どもが一人もいなかったと説明されている。北朝鮮は昨年9月、ようやくユニセフ(国連児童基金)の支援を受け、約80万人の子どもと12万人の妊婦に予防接種を実施した。

さらに、報告書は国連の資料を引用し、北朝鮮の家庭のうち52%が非衛生的な施設で排泄物を処理していると指摘している。非衛生的な施設とは従来型のトイレを使用している場合や、改良された施設でも機能せず、安全に排泄物が処理されていない場合を含む。この状況は下痢などの疾病を引き起こし、公衆衛生にも深刻な影響を及ぼしている。

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