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2025年04月02日水曜日
ホームニュースロシアとウクライナが黒海での休戦に合意、エネルギーインフラへの攻撃停止が決定するも…制裁緩和を巡る欧米間の対立が再燃する可能性

ロシアとウクライナが黒海での休戦に合意、エネルギーインフラへの攻撃停止が決定するも…制裁緩和を巡る欧米間の対立が再燃する可能性

引用:AFP通信
引用:AFP通信

ロシアとウクライナが黒海での休戦とエネルギーインフラ攻撃の中止に和解した。米国はロシアとウクライナの代表団とそれぞれ会談することで、この結果を導き出した。ただし、この過程で米国がロシアの農産物と肥料の輸出を支援することになり、対ロシア制裁の緩和を巡る米国と欧州の対立が再び拡大すると予想される。

25日(現地時間)、米ホワイトハウスは米国の仲介で23日から同日までサウジアラビアで開かれたロシア・ウクライナ間の高官会談の結果について、「米国とロシアは黒海での安全な航行を保証し、武力行使の排除と商船を軍事目的で使用しないことで和解した」と発表した。

ロシアとウクライナも同様の声明を出した。ロシアのクレムリンは「黒海協定の履行を保証することで和解した」と明らかにし、ウクライナ国防省はSNSのX(旧Twitter)で「全ての当事国が黒海での安全な航行を保証し、武力行使を排除し、商船が軍事目的で使用されないよう同意した」と伝えた。

18日、米国のドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が和解した米露両国による「エネルギーインフラへの30日間の攻撃停止」を実行するための措置も講じることになった。クレムリンによると、攻撃を一時停止する施設には製油所、石油貯蔵施設、石油・ガスパイプライン、発電所と変電所などの電力生産・送電施設、原子力発電所と水力発電所などが含まれる。

また、ホワイトハウスとクレムリンはエネルギーと海洋分野でのこうした和解の履行を支援する第三国の仲介を歓迎すると述べ、ウクライナ国防省も同様の立場を示した。

3か国とも大枠では似た立場を表明したが、和解の発効時期については見解の相違を示した。ウクライナのゼレンスキー大統領は記者会見で「和解の効力は即時に発生する」と述べ、「ロシアが和解を破れば、トランプ大統領に武器供与と制裁を要請する」と強調した。ゼレンスキー大統領は、ロシアが和解に違反した場合にどのような措置が取られるべきかについての内容が和解から抜けている点を指摘した。

クレムリンは「ロシア産農産物と肥料の輸出を妨げている各種制約が解除されなければ和解は履行されない」とし、「制裁解除」を前提条件として掲げた。ロシア農業銀行やロシア船籍の船舶、ロシアの食品生産・輸出業者に対する制裁が解除され、食品と肥料関連の金融機関が国際決済システムに再接続されなければ、和解の結果を履行できないとの立場だ。2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、西側は金融制裁を通じてロシアの農産物取引を間接的に制限してきた。

米国はひとまずロシア制裁の強度を緩和する計画だ。ホワイトハウスは「米国は農業および肥料輸出のためのロシアの世界市場へのアクセスを回復し、海上保険料を引き下げ、これらの取引のための港湾および決済システムへのアクセスを強化することを支援する」と述べた。これは欧州からの反発が予想される部分だ。戦争以降続いてきた対ロシア制裁の効果が弱まる可能性があるためだ。ゼレンスキー大統領は「我々はこれが制裁の緩和だと考えている」と不満を表明した。

これを機にロシアがさらなる制裁解除を要求する可能性も排除できない。フィナンシャル・タイムズ(FT)は「今回の交渉でロシアが提示した金融制裁緩和の要求が受け入れられれば、これは西側が維持してきた対ロシア制裁体制において重要な後退を意味する可能性がある」と評価した。米ピーターソン国際経済研究所のエリーナ・リバコワ上級研究員も「ロシアは単に農産物輸出量の増加を目指しているわけではない」とし、「西側の制裁体制に穴を開けようとしている」と分析した。

さらに、会談が米国の計画通りに進まなかったとの見方も出ている。当初トランプ大統領はプーチン大統領との電話会談で30日間の全面休戦を提案していた。最近、ロシアが黒海東部で海軍を撤収するなど海上戦闘の比重が比較的低い点も、今回の和解の実効性に対する疑問を深めている。

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