
1・2審ともに懲役7年
スーパーのレジ係から無視されたと誤解し殺人未遂を犯した20代が、控訴審でも重刑を言い渡された。
ソウル高裁春川(チュンチョン)支部刑事1部(イ・ウンヘ部長)は9日、殺人未遂の容疑で起訴されたA被告(29)に対し、一審と同じく懲役7年を言い渡すとともに、5年間の保護観察と治療監護を命じた。
裁判所は「罪質が極めて悪く、被害者から許しも得ておらず、被害回復への特別な努力も見られない」として、一審の量刑を維持した。
ただし、A被告が精神疾患により心神耗弱状態で犯行に及んだと見られる点や、初犯である点、再犯の危険性などを考慮し、検察の治療監護請求を認めた。
A被告は昨年5月26日午後1時44分頃、横城(フェンソン)郡にあるスーパーのレジ前で勤務交代中だったB氏(56歳・女性)の頭部や顔、首などを凶器で27回刺して殺害しようとした容疑で起訴された。
捜査の結果、A被告は犯行時刻より前の昼12時57分頃、午前担当のレジ係が自分に対して「気が狂っている」と言ったと誤解し、怒りから復讐を企て、自宅にあった凶器を持って再びスーパーを訪れたことが分かった。
A被告が「午前の勤務者はどこにいるか」と尋ねたのに対し、B氏が「食事に行った」と答えたにもかかわらず、「知らない」と言われたと誤解し犯行に及んだ。事件直後に病院で治療を受けたB氏は、命に別状はないものの、症状改善の見込みがほとんどない心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負うことになった。
一審は「午前の勤務者に続いて再び無視されたと誤解した結果、午後の勤務者である被害者に対して行った犯行の動機や手法、被害の程度に鑑みて罪質が極めて悪い」として、懲役7年を言い渡した。