
高齢の母親を熱湯や刃物で脅迫し、妹にも刃物を突きつけたとして起訴された60代男性に、執行猶予付きの懲役刑が言い渡されたことが明らかになった。
13日の報道によると、韓国・春川(チュンチョン)地裁刑事第1部のソン・ジョンファン部長判事は、特別尊属脅迫罪、特殊脅迫罪、麻薬取締法違反(大麻)の容疑で起訴されたA被告に対し、懲役1年・執行猶予2年を言い渡し、保護観察と80時間の社会奉仕活動を命じ、麻薬所持については無罪という判断が下されたという。
A被告は、2023年11月16日の午後1時45分頃、江原道(カンウォン道)・春川市の自宅で母親B氏を脅迫したとして起訴された。母親に対し「お前のせいで父さんが死んだ。殺してやる」などと叫び、熱湯をかけようとしたり、刃物を突きつけたりしたとされている。
公訴状によると、当時A被告は父の遺産相続をめぐり不満を口にしながら、妹のC氏とD氏に暴言を吐いたという。これを母親が諫めたことに腹を立て、犯行に及んだと伝えられている。
さらにA被告は、止めに入ったC氏にも暴言を浴びせ、刃物を突きつけた。D氏に対しては刃物を手にしたまま駆け寄り、胸ぐらをつかんで突き飛ばしたうえ、刃物で刺すようなそぶりを見せて脅したという。
ソン部長判事は「母親や妹に対する脅迫などは、被告にとって不利な事情だ」としながらも「被告が長期にわたり未決勾留の中で十分に反省している点、被害者全員が処罰を望んでいない点などを考慮して量刑を決定した」と述べた。
A被告はまた、自宅で大麻1.21グラムを所持していたとして起訴されたが、これについては無罪を主張しているという。
ソン部長判事は「他の麻薬事件の被疑者が、自身の量刑軽減を目的にA被告を通報したとみられる点」や「通報内容が大きく誇張されていたとみられる点」などを挙げ、大麻所持については無罪を言い渡したと伝えられた。