
米国のドナルド・トランプ大統領との第2次貿易戦争に突入した中国の習近平国家主席は、同盟構築に先立ち、再びトランプ大統領の一方的な保護貿易主義を非難した。ただし、中国政府はトランプ大統領が「相互関税」の実施範囲を縮小した点については「小幅な改善」があったと評価した。
14日、中国の国営メディア新華社は、習主席がベトナム訪問に先立ち、ベトナム共産党機関紙「ニャンザン(人民)」に寄稿したと報じた。トランプ大統領から20%の「フェンタニル」関税と125%の相互関税攻撃を受けた中国は、米国に125%の報復関税を課すと同時に、14日から18日にかけて相互関税の被害を受けたベトナム、マレーシア、カンボジアを訪問し、協力を協議する予定だ。
習主席は寄稿で「貿易戦争と関税戦争に勝者はなく、保護主義には出口がない」と述べた。さらに「多国間貿易体制を堅持し、グローバルな産業・供給網の安定を維持し、開放的で協力的な国際環境を保つべきだ」と主張した。習主席は「中国経済は一方主義と保護主義の台頭の中で、昨年5%の成長を達成し、世界経済成長への貢献率を約30%に維持し、引き続き世界経済の重要なエンジンとなっている」と強調した。また、ベトナムが中国と同じ共産党の理念を継承しているとし、「両国は産業・サプライチェーンの協力を強化し、5G通信、AI、グリーン開発などの新興分野での協力を拡大し、両国民により大きな利益をもたらすべきだ」と述べた。
習主席はトランプ大統領の攻勢に対抗するため、欧州とも協力を模索している。11日には北京でスペインのペドロ・サンチェス首相と会談し、「関税戦争に勝者はなく、世界と対立すれば自らを孤立させることになる」と述べた。さらに「中国とEUはともに世界の主要経済体であり、経済のグローバル化と自由貿易の強力な支持者だ」とし、「両者は国際的責任を果たし、経済のグローバル化の流れと国際貿易環境を共同で守り、一方的な嫌がらせを共に阻止すべきだ」と強調した。
この発言は、トランプ大統領が相互関税からスマートフォンを含む電子製品を除外したことを受けてのものだ。昨年、米国が中国から輸入した製品のうち、最大の金額を占めたのは携帯電話で、次いでコンピューターおよび周辺機器、電子・産業機器の順だった。
9日(現地時間)から中国に相互関税を課したトランプ政権は、同日、中国を除く他国の相互関税を90日間10%で凍結した。さらに11日の発表で、スマートフォン、ノートパソコン、ハードディスクドライブ、CPU、メモリーチップ、半導体製造装置などを相互関税の対象から除外すると明らかにした。
中国商務部は13日、報道官名義の声明を発表し、相互関税から電子製品を除外する措置について「我々は米国側が10日に一部の貿易相手国に対する高率の相互関税を一時停止した後、この政策に関連して出した2回目の調整であることに注目している」と述べた。商務部は「これは米国側が一方的な相互関税という誤った措置を修正する小さな一歩だと言える」と評価した。さらに「我々は米国が国際社会と自国内各界の理性的な声に耳を傾け、誤りを正すために大きな一歩を踏み出すことを促す」とし、「相互関税という誤った措置を完全に撤回し、相互尊重と平等な対話を通じて意見の相違を解決する正しい道に戻るべきだ」と強調した。
一方、トランプ大統領は13日、ソーシャルメディアに投稿し、電子製品も関税から逃れられないとし、相互関税ではなく別のカテゴリーで検討すると主張した。同日、トランプ政権関係者も電子製品を相互関税の代わりに国家安全保障と関連付け、通商拡大法232条を用いて対処すると明らかにした。