私たちは夢見る旅行先に行くために、数ヶ月、いや何年もかけてお金を貯める。しかし実際にその場所に到着したとき、現実は想像とかけ離れていることもある。
ゴミであふれる風景、観光客向けの商業主義、インスタグラム用の写真を撮るための長い列まで。有名な観光名所も、いざ訪れてみると「これだけなの?」という言葉が自然と出てくることがある。
イギリスのメディア「メトロ(Metro)」は読者に「最もがっかりした旅行先」を尋ねた。人で混雑するビーチから期待外れのランドマークまで、人々のバケットリストから削除された旅行地を紹介している。旅行計画を見直すことになるかもしれないので、注意が必要だ。
タイ・ピピ島

アンダマン海に位置するピピ島は、白い砂浜と澄んだ海水、石灰岩の断崖で有名だ。しかし観光客の過剰な流入により自然破壊が深刻だという指摘がある。
アンドレア・バン・ウェイク氏は「数百人とともに長い列に並びビーチに到着したが、すでに人でいっぱいだった。生態系が破壊され、泳ぐこともできない」と述べた。
ロイ・メドウズ氏は「30年前は天国のようだったが、3週間前に行ったときは本当に悲惨だった」と語った。「海にはビニール袋、絆創膏、コンドームまで浮かんでいた」とも。
リン・ポイナー氏も「観光のせいで完全に壊された」と表現した。
ギリシャ・サントリーニ

サントリーニは美しい風景で有名だが、逆に観光客の多さでも悪名高い。
サンドラ・ピーコック氏は「イアでは人の間をかき分けて進むのも難しかった」と語り、スティーブン・ニューカム氏は「クルーズ船のせいで台無しだった」と主張した。
一方で「ハイシーズンを避ければ問題ない」と擁護する声もあり、ダニエル・シュティーガー氏は「朝早くに散歩すると本当に良い」とし、マリリン・ジョーンズ・バーネット氏は「オフシーズンに行って本当に良かった」と語っている。
フランス・パリ

「愛の都市」パリも人によっては失望の対象となる。
エマ・ラブロック氏は「慌ただしくて汚く、私が行った都市の中で最も不親切だった」と述べ、「スーパーマーケットに行く方がロマンチックに感じるほどだった」と語った。
オリャ・ガイダイ氏は「街は美しく、料理も良かったが、人々は本当に不親切だった」と話し、サンディ・デンマン氏は「モナリザもこれだけ?という思いしかなかった。小さすぎる」と失望感を示した。
スペイン・カナリア諸島

アフリカ北西部の海岸に位置するカナリア諸島も、一部の訪問者にとっては期待外れだったようだ。
デイビッド・ヘネシー氏は「気候を除けば、海の上の魂のない岩の塊」と評価し、サム・トーランス氏は「行った島の中で最も退屈だった」と語った。
最大の島テネリフェ島に対してはルース・エバンス氏が「タダでも二度と行かない」とコメント。
一方で「美しい村々、素晴らしい丘陵地帯、静かなビーチがたくさんある」とし、「大型リゾートを避けて個人旅行をすれば素晴らしい体験ができる」といった声もあった。
モルディブ

透き通る海とリゾートの象徴ともいえるモルディブも、人によっては「過大評価」との意見がある。
ロジャー・カーカム氏は「小さな島に滞在したが、やることもなく、食事も平凡だった」と語り、モーリシャスの方が良かったと評価した。
ジェニー・ジョーンズ氏も「2日くらいで十分。1週間は退屈だ」と共感を示した。
イタリア・ベネチア

運河とロマンチックな風景で人気のベネチア。しかし、訪問者のジェニー・ビカートン氏は「運河にはお菓子の袋やコーラ缶が浮かんでいて、悪臭もした」と述べ、リアルト橋での眺望も物売りに妨げられたと話した。
リベラータ・ギャラガー氏は「ベネチアは美しいが、セルフィーばかり撮る観光客と、観光客用のレストランだらけ」と語った。
アラブ首長国連邦・ドバイ

急成長した近未来都市ドバイにも否定的な声はある。
ビリー・トルーマン氏は「歴史も野生動物も自然もない。コンクリートと砂漠、ガラスばかり」と酷評した。
マチルダ・ナポレアオ氏は「退屈で安っぽい人工都市」と述べ、「車でホテルとショッピングモールを行き来するだけでいい人には悪くないかもしれない」と皮肉った。
旅行先で感じる理想と現実のギャップ、それは誰にでも起こりうる。だが、過度な期待をせず、事前の情報収集をしっかり行えば、「がっかり旅行」を避けられるかもしれない。