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2024年11月22日金曜日
ホームライフスタイル「1人前140円」三食牛肉ステーキだけ食べても満額を出すのが難しい国

「1人前140円」三食牛肉ステーキだけ食べても満額を出すのが難しい国

① 牛肉を食べに行く国

出典Amigofoods

2022年、カタールワールドカップで優勝した「この国」の代表チームは、カタールまでバーベキュー用の牛肉を2,630kgも持って行ったそうだ。 この国、アルゼンチンだ。

牛肉大好きなアルゼンチンの人々は、特に「アサド」という食べ物が一番好きだそうだ。 アサドは生肉に塩で味付けして、ほのかな炭火で長時間焼くアルゼンチン式バーベキューだ。

集まりがあれば、アサドがあり、アサドがあれば愛する友人や家族がいるそうだ。
当時のアルゼンチンサッカー協会の関係者は「アサドのおかげで代表チームの雰囲気は最高だ」と語り、「アサドを食べながら選手同士が団結し、雰囲気を盛り上げている」と説明していた。

海外に出かけるサッカー代表チームは一般的に5つ星ホテルに泊まるのに対し、アルゼンチン代表チームは麻婆豆腐パーティーのためにカタール現地の大学学生会館を宿舎にしたほどである。

実は牛肉を愛するのはアルゼンチン人だけではない。 世界中の多くの人が牛肉を愛していますが、ただ高価なのであまり食べられないだけだ。

アルゼンチンは彼らのための旅行先となっているようだ。
「アルゼンチンには牛肉を食べに行く」という言葉があるくらいだ。 その理由は、アルゼンチンでは質の良い牛肉を手頃な価格で味わうことができるからである。

②良質で安い牛肉

出典 : Markets Insider – Business Insider

アルゼンチンは人口の割に広い土地を持っています。 特に木のない肥沃な草原地帯「パンパス」がアルゼンチンの面積の1/5を占めており、これは南米の6倍の面積だ。

アルゼンチンは広いパンパスを活用して小麦農業を行ったり、牛や羊を放牧しているそうだ。 これによって得られた小麦粉、牛肉、そして羊肉は自給自足を超え、外国にも輸出している。

パンパスで放牧されて育った牛は、飼料を与えなくても草原を走り回り、草を食べて育つので、品質も良く、味も良いそうだ。 牛肉のステーキは、ナイフではなくスプーンで切って食べるのが文化であるほど柔らかいそうだ。

何より驚くのは質の良い牛肉の低価格だ。人より牛が多く、国自体が一つの巨大な精肉店。 そのため、牛肉の価格が安くなるのは当然のことだ。

出典:インターネットコミュニティ

牛肉の人気部位はロースとテンダーロインだ。アルゼンチンのスーパーでその部位を購入すると、300gで300円もしないそうだ。 これは日本より10倍以上安い肉の値段で、価格が安すぎて肉を買う最低単位が1kgだそうだ。

スーパーより高いはずの食堂でも、テンダーロインやロースなどの部位は1人前1千百円を超えないそうだ。 人気の高い部位を除いた内臓部位、ソーセージ、そしてスンデなどは1人前80~200円程度だそうだ。

品質が良く、味の良い肉を手頃な価格で購入できるため、アルゼンチンではほとんどの人が毎日300g以上の牛肉料理を食べるそうだ。1人当たりの1年間の牛肉消費量が100kgを超える。

もちろん、これは1960年代の消費量であり、現在ではウェルビーイングの流行により消費量は半分以下に減少している。 しかし、アルゼンチン牛肉の品質と低価格は変わらない。

③経済難でも牛肉の消費量は増加

出典 : Bloomberg.com

現在、年間114%を超える殺人的な物価による経済危機の中でも、アルゼンチンは一人当たりの牛肉消費量世界1位を記録している。

アルゼンチン牛肉振興院(IPCVA)などの報告書によると、2021年基準でアルゼンチン国民1人当たりの牛肉消費量は年間47.8kgを記録したと、ペルピルなど地元メディアが報じている。

しかし、この数字はアルゼンチンでは100年ぶりの低い数字だ。100年前の1920年には1人当たりの牛肉消費量が47.8kgだったのに対し、20世紀半ばの1960年代には1人当たり1年間に100kgを超える牛肉を食べていたという事実だけでもわかる。

アルゼンチンの牛肉の消費量は1977年から徐々に減り始めた。 牛の頭数も1977年には6千100万頭だったのに対し、現在は5千340万頭まで減った。 以前は牛が人より2倍以上多かったのですが、現在は1.13倍ほど多いそうだ。

出典 : Kuoda Travel

前述したように、世界的なウェルビーイングトレンドによる食生活の変化も、アルゼンチンの牛肉消費量の減少に影響を与えている。 何度かの経済危機と貧困層の増加も大きな影響を与えたと言われている。

現在、アルゼンチンは年間130%ものインフレで、アルゼンチン通貨「ペソ」の価値が下がり、強盗が持って行かないと言われるほどだ。

不況で食料品価格が109%も高騰し、多くの牛肉専門店が鶏肉、豚肉専門店に転換したこともある。

それでも牛肉の消費量は減らないのだが、これは穀物主体で飼育される鶏肉や豚肉よりも比較的価格上昇幅が少ない牛肉の価格のおかげと分析されている。

実際、全体の肉類消費量のうち牛肉の割合が2年前の44%から46%に増えたと調査されている。 景気低迷による物価上昇にもかかわらず、上昇しているアルゼンチンの牛肉消費量は、アルゼンチン国民にとって「牛肉」がどのような存在であるかを改めて確認させてくれる。

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