
韓国のユン・ソンニョル前大統領が憲法裁判所による罷免宣告後、7日間官邸に滞在し、228トンを超える水を使用したことが判明した。
共に民主党のキム・ヨンファン議員が16日、水道事業を担当するソウルアリス本部から入手した資料によると、ユン氏夫妻は4日から10日までの1週間、漢南洞(ハンナムドン)の官邸に滞在し、228.36トンの水道水を使用した。つまり、1週間で毎日最低28トンから最大39トンの水道水を使用したことになる。この期間の水道料金は、合計74万6,240ウォン(約7万4,690円)に達した。
これは一般的な2人世帯の平均使用量の75倍以上に相当する。ソウル市が昨年発表した「ソウルウォーター2023」によると、2人世帯が1日に使う水の量は平均436kg、1週間は平均3.05トンである。
ユン氏が罷免後に官邸で使用した水道料金などの公共料金は税金で支払われる見込みだ。罷免直後から一般市民になったにもかかわらず、大統領官邸を占有し公共料金を過度に使用したことが問題視されている。
電気使用量および電気料金はまだ把握されていない。キム議員事務所は韓国電力公社に同期間のユン氏夫妻の電気使用量・料金についても問い合わせたが、韓国電力公社は「公共機関の情報公開に関する法律により提出が困難」と回答した。
キム議員は「ユン氏は罷免直後に一般市民となったにもかかわらず、国家施設である大統領官邸を無断で占有し、公共料金を負担なしに使用した」とし、「公的権限と施設を私物化した典型的な事例であり、徹底した調査と責任追及が必要だ」と述べた。
ユン氏夫妻の「国家予算転用」の事例はこれだけではない。2022年、ソウル龍山(ヨンサン)区漢南洞の大統領官邸に引っ越す際、数百万ウォン相当のキャットタワーや数千万ウォン相当のヒノキ風呂を国家予算で設置し、その一部を11日の退去時に西草(ソチョ)洞の自宅に持ち帰ったという疑惑も持たれている。
この論争について、大統領室はソウル新聞に「大統領官邸には多数の警護および管理人が24時間常駐しており、水道水は生活用水だけでなく、園芸水や官邸周辺の清掃にも使用される」とし、「従来から1日の平均使用量は25〜32トンに達する」と説明した。さらに「官邸の季節ごとの水道使用量は1日平均25〜32トンで『通常の水準』であり、過去の青瓦台(大統領官邸)では1日平均40〜50トンの水道水が使用されていたと認識している」と付け加えた。
大統領室の関係者はまた、「ユン氏が退去後にキャットタワーやヒノキ風呂を持ち出したという指摘も事実と異なる」とし、「当該キャットタワーはユン氏夫妻が以前から使用していたものを持ち帰ったのであり、(新たに購入した)キャットタワーとヒノキ風呂はそのまま官邸に残っている」と伝えた。