2008年の金融危機を的確に予測し「ドクター・ドゥーム(Dr. Doom)」の異名を取った金融アナリストのピーター・シフ氏が、再び仮想通貨「ビットコイン」の投資家に警鐘を鳴らした。

今月16日(アメリカ時間)、海外メディア「U.Today」などの報道によると、シフ氏は最近ビットコインを全て売却し、金鉱株への投資が「現時点で最良の取引だ」と主張したという。
彼はビットコインを「リスク資産の極み」と評し、現在の市場環境では金が連日史上最高値を更新する一方、ビットコインは売り圧力にさらされていると指摘した。
実際、この日の金価格は1オンス当たり3,291ドル(約46万8,587円)と史上最高値を記録した。
一方、ビットコインは今月16日(日本時間)の午後4時時点で前日比2.30%下落した8万3,549ドル(約1,189万6,085円)を記録した。
市場では現在、アメリカ株式市場の不安定な動きと関税に関する懸念から、全般的にリスクを回避する姿勢が強まっている。
シフ氏は今月8日(アメリカ時間)、仮想通貨のコミュニティで自身の戦略的準備金口座を開設し、寄付を募った。しかし、現在その口座には0.055ビットコインである約4,600ドル(約65万5,474円)相当の残高しか残っていない。
彼はこの口座をそのまま放置し、価格下落を証明する予定だと述べ、「絶対に真似してはいけないケースを示すためだ」と明かした。
シフ氏は以前にもビットコイン価格が1万ドル(約142万3,900円)まで暴落する可能性があると警告しており、今回も同じ立場を堅持している。
特に彼はマイケル・セイラー氏の率いる「マイクロストラテジー」に対しても皮肉を込めた発言を続けた。
シフ氏は「もはや『ストラテジー』ではなく『マイクロ』に社名を変更すべきだ。株価の動きを見れば一目瞭然だ」と揶揄した。
しかし、海外メディア「ブルームバーグ」のアナリストであるエリック・バルチュナス氏の分析によると、マイクロストラテジーは2025年に入ってからテクノロジー株をはるかに上回る収益率を記録したという。
これはシフ氏の主張とは相反する結果であり、ビットコインに対する投資観が依然として分かれていることを示している。
結局、彼の発言はビットコインを巡る論争が依然として続いていることを示し、金と仮想通貨の投資対決の構図が当面続く可能性が高いことを示唆している。