
ビル・クリントン、バラク・オバマ、ジョー・バイデンの3人の元米大統領がドナルド・トランプ大統領を批判した。米政界では元大統領が後任者を公然と批判しないのが慣例とされており、この事態は異例との見方が出ている。
ワシントン・ポスト(WP)によると、クリントン元大統領は19日(現地時間)、オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件の30周年追悼式に出席し、現在の米国社会を「少しでも私利を得るために真実を歪めても構わない状態」と表現した。彼は1995年に起きた爆破テロ事件で168人が死亡した当時、大統領として在任していた。クリントン元大統領はこの日、トランプ大統領の名前を直接挙げはしなかったが、連邦制国家である米国が危機に直面しているとまで言及した。
これに先立ち、バイデン元大統領も15日、障害者団体のイベントでトランプ政権が米国の社会保障制度を破壊していると批判の声を上げた。オバマ元大統領も3日、大学の自治に対するトランプ政権の干渉と攻撃に対抗すべきだと訴えた。
現在生存している元大統領のうち、ジョージ・W・ブッシュ元大統領を除く民主党所属の元大統領3人全てがトランプ大統領を公然と批判したことになる。共和党所属のブッシュ元大統領もトランプ大統領に対して批判的な立場を維持しているという。
この状況は極めて異例だと指摘されている。元大統領1人が後任者を公然と批判することも珍しいが、3人が事実上同時に現職大統領を批判した前例がないためだ。
歴史学者のニューヨーク大学のティモシー・ナフタリ教授は「このような事態がトランプ政権の発足から100日も経たないうちに起きたことに注目すべきだ」とし、「元大統領たちはトランプ政権が引き起こす変化の行く末をすでに見通しているようだ」と述べた。
一方、ホワイトハウスは元大統領らの相次ぐ批判に対して特別な反応を示していない。