
米国が関税交渉に臨む国々に対し、中国との貿易を制限するよう強制するとの見通しに、中国政府は「対等な反撃措置」を取ると警告した。
中国商務部の報道官は21日、公式ウェブサイトに掲載した声明で「自国の短期的利益のために他国の利益を損なうことでいわゆる『免除』を得ようとするのは虎に皮を求めるようなもの(与虎謀皮・無謀な行為)であり、結局は失敗に終わるだけだ」と主張した。
報道官は「中国は各当事国が平等な交渉を通じて、米国との経済・貿易の意見の相違を解決することを尊重する」とし、「各当事国が『相互関税』問題において公平・正義の側に立ち、国際経済・貿易規則と多国間貿易体制を守るべきだと考える」と述べた。
さらに「中国はいかなる国も中国の利益を犠牲にして(米国との)取引を達成することに断固反対する」と強調し、「そのような状況が生じた場合、中国は絶対に受け入れず、対等な反撃措置を講じる」と警告した。
これは米国と交渉する国々に向けた中国からの事前警告とみられる。米国との交渉過程で中国に不利益をもたらす措置が取られた場合、報復する意図があると解釈できる。
ブルームバーグによると、トランプ政権は70か国以上との関税交渉を控え、中国の製造能力を制限する措置を求める方針だという。これは中国がトランプ関税を回避する方法を無効化しようとする措置だと分析されている。
ブルームバーグは、トランプ大統領の高官らが相手国の関税交渉代表に「二次関税(secondary tariffs)」問題を持ち出す可能性があると予想した。中国と緊密な関係にある特定国からの輸入品に金銭的制裁を加え、中国を締め付ける狙いがあるとみられる。