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2025年04月22日火曜日
ホームニュース「アメリカが壊れていく」...トランプ再登板で訪米者激減、科学者は欧州へ逃避、富裕層マネーはスイスへ

「アメリカが壊れていく」…トランプ再登板で訪米者激減、科学者は欧州へ逃避、富裕層マネーはスイスへ

引用:YouTube@CBS Chicago
引用:YouTube@CBS Chicago

富と科学人材が急速にアメリカから流出している。広大な北米大陸を楽しもうとする世界中の旅行者の足取りも新型コロナウイルスのパンデミック以降、急激に減少している。

ドナルド・トランプが第47代大統領に就任してからわずか3か月で現れた異常現象として、すべてがアメリカを避ける「脱アメリカ」が急速に進行している。

アメリカ合衆国商務省国際貿易局(ITA)によると、3月のアメリカ訪問者数は前年同期比で約12%減少した。大陸別では西欧(-17%)、中米(-24%)、カリブ海(-26%)で、3月のアメリカ訪問者が前年同期より大幅に減少した。

主要国別では、ドイツ(-28%)、スペイン(-25%)、韓国(-15%)、イギリス(-14%)、中国(-11%)、オーストラリア(-7%)からの訪問者が大きく減少した。

これは世界的な移動が「一時停止」状態に陥ったパンデミック初期以来初めて見られた現象で、アメリカ観光業界は数千億円規模の観光収入損失を懸念している。

リサーチ会社「ツーリズム・エコノミクス」のアダム・サックス代表は「(訪問者の急減は)ドル高、ビザ申請の待ち時間、旅行制限への懸念、アメリカが歓迎してくれるかという疑問、アメリカ経済の減速、安全性への懸念など、様々な要因に起因している」と分析した。アメリカ旅行協会によると、昨年1年間で観光産業からアメリカ経済には1兆3,000億ドル(約182兆8,328億6,000万円)が流入し、1,500万人の雇用が創出された。協会の広報担当者であるアリソン・オコナー氏は、今年の減少傾向を懸念していると述べた。

また、トランプ政権が大規模な研究費予算削減を行い、ハーバード大学などの主要大学の多様性政策を問題視し、いわゆる「文化戦争」を展開したことで、アメリカの科学人材の海外流出も相次いでいる。支援が打ち切られ、職を失ったり研究が中断されたりした有望な研究者たちや、トランプ発の文化戦争を避けてヨーロッパに移ろうとする学者たちの「頭脳流出」が現実になるのではないかという懸念がある。

すでに中国では、トランプ政権の政策変更により自国の科学人材がアメリカに留まらず母国に戻ってしまう現象が加速しており、これを歓迎する雰囲気がある。アメリカから流出しようとする科学人材を引き留めるため、フランスも素早く動いている。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は18日(現地時間)、ソーシャルメディアに投稿した声明で「フランスでは研究が最優先課題であり、イノベーションは文化そのもので、科学には無限の可能性がある」と述べ、「世界中の研究者がフランスとヨーロッパを選んでほしい」と呼びかけた。

国名を特定せず「世界中」と表現したが、実際にはトランプ政権下のアメリカを意識しているとみられる。フランス政府はこの日、外国人材を誘致するために大学や研究所が資金支援を申請できる「科学のためにフランスを選べ(Choose France for Science)」というプログラムの新設も発表した。これを担当するフランス国立研究機構(ANR)は「現在、研究者の間で前例のない移動が起こる条件が整っている」とし、「フランスはヨーロッパで研究活動を続けたい人々を積極的に歓迎する」と述べた。

さらに、トランプ政権の関税政策が引き起こした不確実性も「脱アメリカマネームーブ」に拍車をかけている。最近、安全資産である米国債が大規模に売却された影響で利回りが急騰するなど、アメリカ経済の持続可能性に赤信号が点灯し、アメリカの富裕層の資金移動が異常な動きを示している。

先日、アメリカのシー・エヌ・ビー・シーは自国の富裕層がドル安や関税課税リスクなどアメリカ経済の不確実性を避けるため、最近相次いでスイスの金融機関に資産を移していると報じた。

スイスを拠点とする金融コンサルティング会社アルペン・パートナーズの創業者、ピエール・ガブリス氏はシー・エヌ・ビー・シーに「(顧客が)波のように押し寄せている」と語り「バラク・オバマ前大統領が当選した時や新型コロナウイルス流行時に大きな波を見たが、今、関税が新たな波を引き起こしている」と伝えた。アメリカの「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は最近の急激な資金移動について「『アメリカ産なら何でも売れ』というモードに市場が転換している」とし、「これは過去に新興国経済でしか起こらなかったことだ」とトランプ政権に警告した。

ドイツのドイツ銀行も今月初め、顧客向けメモでトランプ政権発足以来一斉に下落に転じたアメリカ金融資産の異常な動きを「信頼の危機」と表現した。

イギリスの「テレグラフ」は、ドイツがトランプ政権の予測不可能性を懸念し、アメリカ・ニューヨークの地下金庫に保管中の自国の金塊を回収する案も検討していると報じた。

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