孫正義会長兼社長が率いるグローバル投資持株会社ソフトバンクが、暗号資産ビットコイン(BTC)の大規模投資に踏み切った。

ソフトバンクは、テザー、ビットフィネックス、キャンター・フィッツジェラルドと共同で、ビットコインを基盤とする合弁会社「21キャピタル」を設立し、業界の注目を集めている。
同社は特別買収目的会社(SPAC)を通じて上場を目指しており、初期投資額は30億ドル(約4,285億9,711万円)相当のビットコインで構成されている。
このうちソフトバンクは9億ドル(約1,285億7,913万円)分のビットコインを購入する計画だという。

購入価格は1BTCあたり8万5,000ドル(約1,214万3,585円)とされ、これは現在の相場でも高値圏に近い。テザーはさらに多い15億ドル(約2,142億9,855万円)を投資し、最大出資者となった。
米資産運用会社バンエックのマシュー・シーゲル氏は、「今回の取引は、孫会長がこれまで手掛けたビットコイン投資の中で最大規模だ」と評価した。
また、シーゲル氏は「孫会長は、ビットコインとAI、エネルギー産業を結びつけるビジネスの好循環を構築しようとしているようだ」と述べた。
ソフトバンクは今年初めにも、米国のビットコインマイニング企業サイファー・マイニングに5,000万ドル(約71億4,328万円)を投資し、約1,040万株(全体の約3%)を取得している。
サイファー・マイニングは、米国を代表するビットコインマイニング企業の一つとされており、今回のビットコイン直接購入と合わせ、ソフトバンクの暗号資産エコシステムへの関与が一層深まったとみられる。
21キャピタルの設立と大規模なビットコイン投資は、機関投資家によるビットコイン市場参入に新たな道を開く可能性がある。特に、テザーとソフトバンクの組み合わせは、従来の金融と暗号資産インフラの架け橋を強化する事例として評価されている。
孫会長は2017年の強気相場時にも、個人資金で2億ドル(約285億7,314万円)をビットコインに投資した経緯がある。当時は高値で購入した結果、大きな損失を被ったが、今回はより長期的かつ戦略的なアプローチを採用しているとみられる。ビットコインに対する彼の信念が依然として健在であることを示唆している可能性もある。