
生後3か月の娘を現金100万ウォン(約10万円)で売却した30代の実母が、実刑判決を受け法廷で拘束された。
韓国の光州(クァンジュ)地方裁判所刑事単独第2部(キム・ヨンギョン裁判長)は25日、児童福祉法違反(児童買春)容疑で起訴された実母A被告(36)に対し、懲役1年を言い渡したと発表した。A被告は判決後、法廷で身柄を拘束されたという。
A被告は2012年7月頃、生後3か月の三女を身元不明の人物に現金100万ウォンで売却した疑いで、身柄を拘束されずに起訴されていた。
出産直後、経済的な事情から子どもを育てることができないとして、娘を一時保護施設に預けたA被告は、実父(現在は死亡)と共に買い手を探し出し、売却したことが調査で判明した。
A被告は、施設から子どもを家に連れて帰るふりをして「子どもをきちんと育てる」との誓約書を提出し、施設の正門前で直ちに買い手に引き渡したとされている。
A被告の犯行は、政府が行った「出生未届け児童」の全数調査の過程で発覚した。出産記録は存在するが出生届がされていない子どもを追跡する中で明るみに出た。
調査の結果、A被告はこれまでに3人の子どもを出産しており、長子は出生直後に養子に出し、次女は実家に放置、三女は現金で売却していたことが分かった。
裁判所は判決で、「被告が若年で十分な準備がない中で出産した点は考慮するが、親子の絆を裏切り、子どもを繰り返し手放した行為に対しては責任を問わざるを得ない」と指摘した。
続けて、「次女を実家に預け、自身は別の地域で交際相手と生活するなど、子どもを養子に出したり売却した際にも悲痛な思いを見せなかった」と述べたうえで、「ただし、今回の犯行は13年前に発生したものであり、処罰の適時性が失われている点を考慮して刑を定めた」と量刑理由を説明した。
この日、法廷で拘束されたA被告は「次女が一人で家にいる」として寛大な処分を訴えたが、裁判所は「再び実家に預ければいい」としてこれを認めなかったという。