アメリカの宇宙事業関連企業「スペースX」の元従業員たちが、職場で性差別とハラスメントを受けたと主張し、CEOであるイーロン・マスクに対し訴訟を起こした。
海外通信社「ロイター」や経済専門メディア「Bloomberg」によると、スペースXから解雇された女性4人、男性4人が、会社内で性差別とハラスメントを受けたと主張し、イーロン・マスクとスペースXに対し損害賠償を求める訴訟をカリフォルニア州の裁判所に提出した。
彼らは、イーロン・マスクの普段の言動が会社内に「広範に性差別的な企業文化」を造成したとし、さらにイーロン・マスクが、X(旧Twitter)に投稿した性的な写真や下品な言葉、性器に関する発言などを問題視した。
彼らは、他の同僚たちがイーロン・マスクの投稿を真似したような発言を繰り返し、このような企業文化が「非常に不快で、かつ、敵対的関係を生み出す職場環境を作り出した」と主張した。
さらに、上級エンジニアたちがロケットの部品を説明する際に性行為や男性の性器を連想させる表現を使ったと指摘した。
この訴訟の原告たちは、2022年にイーロン・マスクの発言を批判する書簡をスペースXの経営陣に送った後に、報復的な解雇を受け、全米労働関係委員会(NLRB)に救済を求めた従業員たちだ。
彼らは書簡の中で、2020年以降、イーロン・マスクがX(旧Twitter)に投稿した一連の内容には性的な内容も含んでおり、会社のポリシーに違反しているとし、これを統制するように要求した。
NLRBの地域事務所は彼らの主張を受け入れ、今年1月にスペースXをNLRBの裁判にかけることとなったが、スペースXはこれに対抗して、「NLRBの手続きは陪審員による裁判を受ける憲法上の権利を侵害する」と主張し、NLRBに対して逆に訴訟を起こした。
先月、連邦控訴裁判所はスペースXが提訴した結果が出るまでNLRBの裁判手続きを停止させた。
今回のイーロン・マスクに対する損害賠償訴訟の書類によると、スペースXは彼らを解雇する前に人事担当者が先に調査を行うことを提案したが、彼は「関係ない。解雇しろ」と回答したという。
なお過去に、スペースX側はイーロン・マスクは彼らの解雇に関与していないと発表していた。