「狎鴎亭(アプクジョン)ロールスロイス男」に麻薬を処方し、患者向けに性的暴行を犯した容疑で裁判にかけられていた韓国の医師が1審で重刑を受けた。
ソウル中央地裁刑事合意30部(カン・ドゥレ部長判事)は13日、医療法違反などで拘束起訴された加害者の医師ヨムに対し、懲役17年と罰金500万ウォン(約57万円)の判決を下し、792万ウォン(約90万円)の追徴金と5年間の保護観察を命じた。
加害者ヨムは昨年8月、薬物に酔って車を運転し歩行者を撥ねて死亡させた「狎鴎亭(アプクジョン)ロールスロイス男」の加害者シンに対し、プロポフォール、ミダゾラム、ジアゼパム、ケタミンなどを混合して投与し、治療記録を偽造した容疑を受けている。また、麻酔状態の女性10数人を不法に撮影し、一部の患者に性的暴行を犯した容疑も受けている。
加害者ヨムの携帯電話からは、女性患者の身体の一部などを撮影した写真544枚が発見されたと伝えられている。彼は自分の身体の一部を女性患者らの顔に押し付け、その様子を録画したとされている。
このように極悪非道な性犯罪を犯したため、「n番部室事件」の主犯であるチョ・ジュビンと比較され、「医ジュビン」という呼び名までつけられることとなった。
被害を受けた女性のイ氏は、今年1月にMBCのインタビューで警察から渡された被害写真10数枚を見たとき、「手術室で私が横たわっている写真だった。全裸で…もう見ることができなかった」と語った。イ氏はショックのため仕事も辞めたと言い、「睡眠薬がなければ眠れない状態だ」と語った。
被害を受けた女性の一人は、極度のストレスに耐え切れず自ら命を絶ったと伝えられている。
裁判部は加害者ヨムの容疑のほとんどを有罪と認定し、「麻薬の乱用を防ぎ、中毒者の治療と保護、社会福祉を推進すべき医師がプロポフォールの処方による金儲けにしか興味がなかった」と非難した。
また、「医師の地位を利用して麻酔状態の被害者たちを性的な対象とし、強制的に性行為を行い撮影したことは、最も悪質で重罪である」とし、「ヒポクラテスの誓いの中で最も重要な『患者に害を与えてはならない』という内容を正面から破った」と指摘した。
一方、「狎鴎亭(アプクジョン)ロールスロイス男」の加害者シンは特定犯罪の重罪処罰法に基づく傷害致死などの容疑で拘束起訴され、今年1月に1審で懲役20年の判決を受け、2審の裁判中である。