ジョー・バイデン米大統領が次期大統領候補から決して退かないという立場を維持していることから、民主党内の候補交代の動きが弱まっている。
民主党の上下両院議員は、現地時間の9日に開かれた集会で、候補交代に関する明確なスケジュールを設定することができなかった。これにより、今年81歳の高齢であるバイデン大統領が最終的に民主党の大統領候補として公式化される可能性が高まっている。
民主党は来月19日~22日、イリノイ州シカゴで開催される民主党全国大会(DNC)前のオンライン投票で民主党の大統領候補を決定する方針だ。候補交代のスケジュールが設定されなければ、すでに代議員選挙を通じて候補地位を獲得したバイデン氏が民主党の公式大統領候補となる。
バイデン氏の頑固さにより、民主党が11月5日の大統領選挙と同時に行われる上下両院の中間選挙も敗北する可能性が高まっている。
結論が出ない
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先月27日、ドナルド・トランプ前大統領とのテレビ討論で敗北した後、初めて開催された非公開の民主党上下両院議員会議で、候補交代に関する明確な方案が出されなかったと報じた。
議員たちは討論の敗北後、世論が急激に悪化していることに対する困惑を示したが、新たな候補を取り立てる意見を集めることに失敗した。議員たちの意見が一致しないため、今後民主党は明確な結論なしにバイデン氏の意向に選挙を委ねることになった。
大多数はバイデン支持
民主党指導部のピート・アギュラ下院議員(カリフォルニア州)は、「今のところバイデン大統領が候補だ」とし、「私たちは、ドナルド・トランプを打ち負かす民主党の候補を支持する」と述べた。
議員たちは会議後、候補交代に関する意見の食い違いが激しいことを明らかにした。
「議員たちは細部まで意見が一致しているのか(同じページにいるのか)」という記者の質問に対し、スティーブ・コアン下院議員(テネシー州)は、「私たちは同じ本にすらいない」と述べ、意見の食い違いが激しいことを示唆した。
グレッグ・ランスマン下院議員(オハイオ州)は、バイデン候補に対する不安が大きいと述べた。彼は、「全米で不安が感じられる」とし、「これは議員会議室だけ、支援者の間だけ、または民主党内だけで感じられる不安ではない」と懸念を示した。
出席者によれば、会議の雰囲気は重く真剣だったという。当時内部議論の内容が外部に漏れるのを防ぐため、スマートフォンやスマートウォッチも禁止されていた。
バイデン氏が候補から降りるべきだという議員たちは、部屋の前で同僚議員を説得した。しかし、議員の大多数はバイデン派だった。
公にバイデン氏に候補辞退を求めた議員は、これまでにわずか6人に過ぎない。非公開で候補交代を主張していた一部の議員は、その声のボリュームを下げることもあった。
懸念は依然として
バイデン氏が頑固に退かないことで、彼が大統領選に立つことを支持する意見が主流になる一方、懸念が消えたわけではない。
ティナ・スミス上院議員(ミネソタ州)は、「バイデン大統領が決定する問題だ」と一旦線を引いた。しかし、スミス議員は、「ドナルド・トランプが再び大統領になることは絶対に避けなければならないという点に引き続き集中することが極めて重要で、その点を考慮すると、バイデン氏が続けて候補に残る状況を『懸念しないわけにはいかない』」と述べた。
党指導部の一員であるパティ・マレー上院議員(ワシントン州)は、バイデン氏が「彼の素晴らしい遺産を保持する最善の方法を真剣に考慮すべきだ」とし、候補辞退の必要性を強調した。
議会選挙も敗れる
民主党は、バイデン氏が大統領候補を固執する中で、議会選挙でも敗北する可能性まで懸念している。
共和党が今回の選挙で上院でも多数派になるのではないかという点を、民主党は懸念している。
現在、民主党は無所属議員の4人を加えて51議席で、共和党の49議席を上回っているが、ジョー・マンチン上院議員(民主・ウェストバージニア州)が引退すると、この議席を共和党に奪われることがほぼ確実だ。
下院ではすでに共和党が220議席と、213議席にとどまった民主党を上回り、多数派になっている。現在2議席が空席だ。
民主党は、バイデン氏の固執により、民主党がホワイトハウスを共和党に譲るだけでなく、上下両院の選挙も共和党に譲る可能性を懸念している。