人工知能(AI)サーバー・データセンターの構築企業スーパーマイクロコンピュータ(SMCI)が10日(現地時間)異例に推奨意見が格下げされる屈辱を受けた。SMCIの驚異的な株価上昇がこれで終わりだという宣言に等しい。
SMCIは昨年、株価が264%急騰後、今年も220%近くさらに上昇した。昨年3月18日には、500の大企業で構成されるスタンダード&プアーズ(S&P)500指数にも組み入れられた。
しかし、日本の金融会社野村は、この日SMCIの推奨意見を買いから中立に引き下げた。ただし、目標株価は930ドル(約15万円)を維持した。
野村のアナリスト、ドニ・トンは分析ノートで「SMCIの短期・中期の見通しが明確でない」とし、「AIサーバーの注文不確定性により、SMCIの水冷式サーバー市場への支配力が部分的に影響を受ける可能性がある」と懸念を示した。
SMCIは5月1日の四半期決算発表後、株価が14%以上急落するなど、最近は不安定な様子を見せている。今年に入って株価が3倍以上急騰したとはいえ、モメンタムは以前ほどではない。その後、下落幅をかなり取り戻したが、以前の高値を回復していない。それだけ上昇余地が大きくないことを示している。
トンアナリストは、SMCIの水冷式サーバーが競争優位の基盤となり、これに伴って純利益も順調な流れを続けるだろうとしながらも、AIサーバーの注文不確定性に足が取られるだろうと懸念した。
彼は短期的に、また中期的にSMCIが予想を上回る良好な売上実績を出すことが限界であるとして、推奨意見を中立に下げた。
SMCIはAI半導体企業NVIDIAの協力会社であり、NVIDIAから半導体を受け取り、AIに必要なサーバーを作る。
トンは、NVIDIAが今年後半に次世代半導体ブラックウェルをリリースする前に、前バージョンのホッパー半導体の需要に空白が生じる可能性があり、SMCIのサーバー注文が不確定であると説明した。
SMCIはこの日、異例の推奨意見の格下げにもかかわらず、株価は上昇し、午後の市場で前日比4.59ドル(約731円)上昇し、900.20ドル(約14万3390円)を記録した。