日本を代表するフリーアナウンサーの小倉智昭さんが今月9日、77歳で逝去した。今月10日、スポニチアネックスの報道によると、故人は2016年に膀胱がんを患っている事実を公表して以来、肺と腎臓への転移と闘いながら8年に及ぶ長期闘病生活を送っていた。出身地は秋田県・秋田市で、詳細な死因は明らかにされていない。
小倉さんは、フジテレビの看板朝情報番組『とくだね!』のメインキャスターとして1999年から2021年まで長年活躍し、多くの視聴者から支持を得た。生放送中に率直な意見を述べ、「信念のあるキャスター」として評価を受けていた。
『とくだね!』は2001年に平均視聴率1位を記録し、小倉さんは通算4,452回も出演したことから、日本の情報番組史上最多出演記録を樹立した。
小倉さんの闘病は2016年の膀胱がんの診断を受けたことから始まった。内視鏡手術で腫瘍を切除したが、症状が悪化し2018年には膀胱全摘徐術を受けた。2021年には肺への転移が見つかり、2023年には腎臓がんと診断され左側の腎臓を摘出した。
闘病中も、自身の経験を基に人工膀胱や尿失禁の問題について啓発活動を行い、社会的に注意を喚起した。特に男性トイレへの衛生用品処理ボックス設置を提唱し、話題を呼んだ。
小倉さんは幼少期の吃音で苦しんでいたが克服し、1970年に東京12チャンネル(現 テレビ東京)に入社した。競馬解説者として注目を集めた彼は、その後フリーアナウンサーに転身し『世界まるごとHOWマッチ』などの番組で「七色の声を持つナレーター」として名を知らせた。
今年11月23日放送のフジテレビの番組『小倉ベース』では、EXILEのHIROらと共に元気な姿を見せたことから回復の兆しが見えたが、その後容態が悪化し入院して最期を迎えた。生前「同年代が楽しめる番組を作りたい」との願いを語っていたが、その夢を叶えることなく他界した。
葬儀は近親者のみで執り行われる予定である。日本の放送界に大きな足跡を残した小倉さんの訃報に、多くの人々が哀悼の意を表している。