海外メディア「AFP通信」によると、「アンヌ」の名前で知られるインテリアデザイナーは今月12日(現地時間)、フランスの民間放送「TF1」の番組『Seven to Eight』に出演した。ブラット・ピットとの恋愛関係を信じていた彼女は夫と離婚し、83万ユーロ(約1億3,300万円)を送金したと告白した。
アンヌは家族とのスキー旅行中に初めてSNSを使用し、その後詐欺師らとのやり取りが始まったと語った。最初、詐欺師らはブラット・ピットの母親を装い「息子にはあなたのような人が必要だ」と話しかけてきたたという。そして、詐欺師らは数日後、ブラット・ピット本人を装ってアンヌに接近した。彼女は「最初は偽物だと思ったが、SNSに不慣れだったため状況を理解できなかった」と当時を振り返った。
詐欺師らは偽のSNSアカウントとWhatsAppを使用し、画像生成AI技術でブラット・ピットのセルフィーやメッセージを偽造した。そして、彼らはブラット・ピットの腎臓治療費を名目に金銭を要求した。ブラット・ピットの元妻である女優アンジェリーナ・ジョリーとの離婚訴訟で銀行口座が凍結されたとアンヌを騙したという。
彼女は1年半にわたりブラット・ピットとの恋愛関係を信じていた。しかし、ブラット・ピットが27歳年下のジュエリーブランドCEOのイネス・デ・ラモンと交際中というニュースを目にし、詐欺に気付いたという。アンヌは番組で自身の体験を語り、家族写真まで公開した。普段からメンタルヘルスの問題を抱えていた彼女は放送当時、重度のうつ病を患い入院治療を受けていたことも明かした。
放送後、アンヌへの嘲笑と非難が殺到した。TF1の司会者ハリー・ローズマックは今月14日、自身のSNSを通じて「被害者保護のため、私たちはこの話をプラットフォームから取り下げることにした」と発表した。一部では、TF1が脆弱な個人を適切に保護せず、インタビュー公開の影響を予測できなかったとして、放送局に責任を問う声も上がった。
アンヌは番組で「なぜ私が標的にされ、このような被害を受けたのか分からない」と述べ、「私は誰も傷つけたことがない。この詐欺師たちは地獄に落ちるべきだ」と憤りを露わにした。