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人間に被害をもたらす野生動物に避妊薬を使い個体数調節…殺処分の代替手段

毒物や罠の代替手段として…

毒物散布や殺処分より論理的かつ効率的な方法

ハトやイノシシなどの個体数が爆発的に増加したことで、人間に被害をもたらしている野生動物に対し避妊薬を投与し、個体数を減らそうとする実験が専門家たちの間で進められていると、英ガーディアンが18日に報じた。1960年代の「性革命」を引き起こした避妊薬が動物の個体数調節にも影響を及ぼすかどうか注目が集まっている。

英ガーディアンの報道によると、専門家たちは特殊な餌箱や囮に避妊薬入りのヘーゼルナッツクリームや穀物などを詰める方法で模索している。英国で最近問題となっているトウブハイイロリスの場合、同国固有種の赤リスを絶滅危機に追い込み、木の皮を剥がし森林を害すなど、現在イングランドとウェールズだけでも年間3700万ポンド(約74億円)の木材損失が発生していると当局は推定している。このため、専門家たちは赤リスよりも体が大きくて重いトウブハイイロリスだけが開くことのできる扉を備えた餌箱に、経口避妊薬を含む餌を入れ、広く設置を始めた。非公式の結果によると、この取り組みが実際に効果が出ているとガーディアンは伝えた。

また、マルコ・フェリザーリ獣医学博士は、毎朝、ハトに避妊薬入りのトウモロコシを与え、多くのハトがこれを食べていると伝えた。フェリザーリ博士は、もっとたくさんの住民の協力を得ることができれば、この試みはハトに限らず英国内の外来種ホンセイインコにも適用でき、個体数調節の効果をあげられるだろうと話した。

英国以外の欧州地域では、イノシシの個体数増加も問題になっており、イノシシだけが口を使って開けることのできる餌架けを開発し、避妊薬を摂取させる方法が導入され効果が出ていると専門家たちは伝えている。実際、アメリカでは野生馬に避妊薬を散布しており、クルーガー国立公園のアフリカ象も避妊注射を受けている。

このような方法は、罠や銃を使った殺処分、毒物の散布よりも論理的且つ効率的だというのが専門家たちの分析だ。多くの国々は、該当する動物以外の動物まで殺す可能性があるという理由で毒物や罠などを禁止しており、避妊薬による個体数調節は次第に広がりを見せている。ジオバンナ・マセイ・ヨーク大学博士は、「私たちはクリエイティブな方法を探している」と述べ、「殺処分などの従来の方法は非論理的且つ非効率的であり、大衆の反対も大きくなっている」と説明した。

ヨーク大学は、野生動物の生殖力を制御する初めてのワークショップを開催し、農業や在来生息地に有害とされる害虫に避妊薬を伝達する方法について議論する予定だ。

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