2009年6月25日に急死した「キング・オブ・ポップ」マイケル・ジャクソンが死亡時に、5億ドル(約809億円)を超える負債を抱えていたことが明らかになった。
28日(現地時間)、「The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)」などによると、マイケル・ジャクソンの巨額な負債は、遺産管理団体が21日に裁判所に提出した新たな文書により、明らかになったという。
マイケルはイギリス・ロンドンで開催予定だった復帰公演に向けてロサンゼルスでリハーサルを行っている最中に亡くなった。
公演を企画したコンサートプロモーターのAEGにも約4,000万ドル(約64億円)の借金があったと、遺産管理団体が裁判所に提出した書類に記録されている。
実際、2013年にマイケルの死を巡ってコンサートプロモーターのAEGを訴えた裁判でも、彼の借金についてAEG側の証人である公認会計士が詳しく証言している。
彼には莫大な収入があった一方、法外な浪費癖も有名で、慈善団体への寄付や贈り物、旅行、美術品、家具、宝石、アンティーク玩具などに多額を費やしていたという。
マイケルは死後もなお世界中で6件以上の訴訟が係争中であり、遺産管理人に対しても65人以上の債権者により訴訟が起こされているという。
遺産管理団体の弁護士はアメリカで15件の訴訟に対応し、ヨーロッパや日本でも訴訟をサポートしている。大部分は順調に解決したと伝えられている。これは、一部の負債について再交渉を行い、一部の資産を売却した結果だ。
当然だともいえるが、マイケルが遺した遺産の規模は負債よりもさらに規模が巨大だ。3月に公開された裁判所の書類によると、マイケルの遺産は20億ドル(約3,221億円)を超えているという。
マイケルには1980~90年代にかけて全世界で稼いだ莫大な公演収入があり、さらに、1985年のATVミュージック買収によりジョン・レノン、ポール・マッカートニーの楽曲の版権を200曲余り保有していたためだ。
一方、1958年生まれのマイケル・ジャクソンは2009年にロサンゼルスの自宅で全身麻酔にも使われる強力な鎮静剤プロポフォールの過剰摂取による心臓発作で死亡した。
2月にはソニーミュージックはマイケル・ジャクソンの音楽著作権とカタログ原盤権の半分を買収することに合意した。今回の契約は、アーティストの音楽資産取引では過去最大で、ソニーミュージックは少なくとも6億ドル (約966億円)を支払うことになる。