韓国済州(チェジュ)特別自治道世界遺産本部(カン・ソクチャン本部長)は、ユネスコ世界自然遺産である拒文岳(コムンオルム)溶岩洞窟系写真集『闇から光へ… 14kmの旅路』を発刊したと発表した。
ユネスコ世界自然遺産の中で、溶岩洞窟だけをテーマにした初の写真集であり、一般には公開されない洞窟内部の美しさと、生命感あふれる価値を知ってもらうために企画された。
拒文岳溶岩洞窟は、2007年に 漢拏山(ハンラ山)および城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)とともに、ユネスコ世界自然遺産に登録された地質遺産だ。拒文岳から噴出した溶岩が、月汀里(ウォルチョンリ)海岸まで約14kmを移動しながら形成された溶岩洞窟群で、計8つの洞窟で構成されている。
8つの拒文岳溶岩洞窟系は、ペンディ窟、ウッ山全窟、北オルム窟、大林窟(テリム窟)、万丈窟(マンジャン窟)、金寧窟(キムニョン窟)、龍泉洞窟(ヨンチョン洞窟)、タンクォムル洞窟で構成される。
写真集には8つの洞窟で撮影された130点余りの作品が収録された。洞窟の入口や内部の景観、微地形(極めて小さな起伏のある地形)と洞窟生成物、溶岩洞窟内部の生態系などを捉えている。
また、 済州島の溶岩洞窟についての理解を深めるために、拒文岳溶岩洞窟系に関する説明や、溶岩洞窟の形成過程、洞窟内部の代表的な生成物と構造に関する解説も収録されている。
この写真集は、済州島内外の関連機関や国立、公立図書館などに配布される予定であり、収録された作品は今後、展示、広報、学術及び教育資料など、多様な目的で活用される見通しだ。
済州島世界遺産担当のカン・ソクチャン本部長は、「今回の写真集を通じて、非公開の洞窟を多くの人が見る機会となることを願っている」とし、「済州島の溶岩洞窟の美しさと重要性を認識し、世界自然遺産の真の価値をより多くの人々と共有できるきっかけとなることを願っている」と述べた。