「脇」のかゆみの原因と予防法、皮膚炎から深刻な病気に至るまで適切な対策方法を解説

腋の下は神経終末が密集しており、かゆみを感じやすい部位である。かゆみの原因は日常的な皮膚の刺激や癌のような深刻な疾患に至るまで多岐にわたる。腋の下のかゆみが生じる理由と予防法について見てみよう。

 腋の下のかゆみの主な原因は皮膚炎である。接触性皮膚炎が原因として最も一般的で、腋の下の皮膚は薄く、発疹が悪化しやすい。

アトピー性皮膚炎は、免疫系の過剰反応によって発生し、ストレスやホルモンの変化により悪化する可能性がある。

汗疹やじんましんも腋の下のかゆみの原因とされている。汗疹は、汗腺が詰まり、汗が皮膚の下に溜まってしこりや水疱が形成されることで発生する。じんましんは、皮膚との摩擦や湿気によって発生する発疹である。

真菌や細菌の感染は、湿気の多い腋の下で繁殖しやすい。特に酵母菌による感染が代表的であり、汗を多くかく人はこの感染症に対して特に脆弱だ。

イングロウンヘア（埋没毛）は、毛が皮膚外に成長せず、再び毛包内に巻き込まれる際にかゆみを引き起こすことがある。

腋の下のかゆみと関連する病気としては、乳癌やリンパ腫が挙げられる。特に炎症性乳癌（IBC）は、腋の下だけでなく乳房にもかゆみを引き起こすことがある。

これは発疹や腫れ、熱感などの症状を伴い、時には単純な乳腺炎と誤診されることがある。抗生物質に反応しない場合には追加の検査が必要だ。

リンパ腫も腋の下のかゆみと関連している可能性がある。リンパ腫の一部では、皮膚発疹とともにかゆみが生じることがある。また、リンパ腫の症状には、リンパ節の腫れ、原因不明の発熱、体重減少、過度の冷汗などが含まれることがある。

腋の下のかゆみを予防するためには、基本的に清潔を保ち、乾燥させることが重要だ。腋の下をしっかり洗い、湿気を防ぐことが基本的な対策である。軽度のかゆみには、低強度のコルチゾンクリームや鎮静効果のある保湿剤が役立つ場合がある。