フラボノイドが豊富な食品を高摂取することが、認知症発症のリスクを低減させるという研究結果が発表された。
最近、「アメリカ医科学会ジャーナル(JAMA Network Open)」には、ベリー類の果物やお茶など、フラボノイドの豊富な食品の摂取が認知症リスクを著しく減少させる可能性があるといった内容が掲載された。
認知症は、認知機能の低下を伴う退行性脳疾患であり、加齢による自然な認知能力の低下と区別される。世界人口が高齢化するにつれ、認知症患者数は2050年までに5000万人から1億5200万人に増加すると予想されている。
認知症はアルツハイマー病など、種類が多様であり、現時点では有効な治療法がなく、予防が必須であると専門家は強調している。フラボノイドは果物や野菜などの植物性の食品に含まれている化学物質であり、炎症の減少、血管機能の改善、神経発生の促進など多くの健康上の利点を提供すると知られている。
研究チームはイギリス・バイオバンクから得た40~70歳の成人のデータを使用して、認知機能と食事の関係について研究を実施した。最終的に121,986人のデータを使用し、そのうち女性が55.6%を占め、平均年齢は56歳であった。
なお、エネルギー摂取量を含む24時間の食事評価を少なくとも2回実施した有効なデータおよびその他必要な情報を持っている参加者のみが含まれていると説明した。
研究チームは、お茶、ベリー類の果物、赤ワイン、リンゴ、ブドウ、オレンジなどフラボノイドが多く含まれていると広く知られている食材を基準にフラボノイド摂取量を評価した。また、追加的分析のために遺伝的リスクや高血圧およびうつ病との関係性も研究内容に含めた。平均9.2年の追跡期間中に882件の認知症症例が報告された。
研究結果、フラボノイドが最も豊富な食品を摂取している人々は、身体活動がより活発であり、体重指数が低く、最も少ない量を摂取している人々より財政的困難を経験した割合が低いことが明らかになった。
特に、フラボノイド摂取量が最も多く、フラボノイドの豊富な食品を平均より約6回以上摂取している参加者は、そうでない参加者と比較して認知症リスクが28%低いことが示された。このような関連性は、遺伝的リスクの高い人や重度の高血圧およびうつ病の人において特に顕著であり、リスクがそれぞれ43%、30%、48%減少した。
これにより研究チームは、フラボノイドの豊富な食品を多く摂取することが認知症のリスク低減に有効であると結論付けた。