食事後に満腹感を感じにくい場合は「瘦せ始めサイン」と軽く流さず、食事のバランスや健康状態などをチェックするべきである。
食事後にはすぐ満腹感を感じることが一般的だが、そうでない場合、食事の質や食事中の雰囲気、ストレス度など、いくつかの要因を把握する必要がある。
男性の健康をメインテーマに据えたアメリカの総合男性誌「メンズヘルス」に紹介された内容をもとに、自身の健康状態を確認することが推奨される。
ホルモンの問題
食べ物を摂取するとレプチンというホルモンが分泌され、脳に食欲を抑え、カロリー消費量を増やすよう指示する。一方、胃から分泌されるグレリンは、空腹感を引き起こすものであり、食前に増加し、食事とともに減少する。つまり、レプチンとグレリンが空腹感とカロリー消費量のバランスを左右するのである。
しかし、脳がレプチンの指令に適切に反応しない場合、レプチン抵抗性が生じ、満腹感を感じにくくなる可能性がある。レプチン抵抗性はレプチンが脳へ伝達される過程や視床下部でレプチンシグナルが伝達される過程での問題などにより、正常に機能しないことを指す。
ストレスも影響を及ぼす要因の一つである。ストレスを受けるとコルチゾールというホルモンが分泌され、食欲が増加する。睡眠不足もグレリンの分泌を促進し、過食を誘導する。
不均衡な栄養バランス
公認栄養士のアンジェル・フラネスさんは「食事の栄養構成が満腹感と満足感を左右する」と述べた。パンや加工食品、ファストフードは栄養素が不足しており、脂肪と炭水化物が多く、すぐに空腹感を感じさせ、過食を引き起こす。
満腹感を得るためには、炭水化物、タンパク質、健康に良い脂肪で構成された栄養バランスの取れた食事を摂る必要がある。全粒穀物、豆類、ナッツ、種子、果物や野菜など、食物繊維が豊富な食品は満腹感を長持ちさせる。
健康問題
糖尿病はインスリン抵抗性、血糖値の変動、食後の空腹感を伴う。甲状腺機能亢進症がある場合、通常よりも多くの代謝量とカロリーを必要とするため、カロリーの消費速度が速くなり、空腹感をより強く感じる可能性がある。抗うつ剤やステロイド剤などの薬物も食欲を増加させるものの一つと知られている。
極端なカロリー制限
体重減少などの理由で食事を抜いたり急激な食事制限をするダイエット方法は、強い空腹感を感じさせる。食事を抜いたり空腹の時間が長くなると血糖値が急激に下がり、逆に強い空腹感を感じるようになり、過食につながることがある。年齢や身体活動レベルに応じた適切なカロリーを摂取する必要がある。