何の異常もない部位に、突然痛みを感じることがある。病院に行っても「問題はない」としか言われず、痛みは依然として続くことがある。周囲の人々はこれを単なる大げさや仮病として扱うことが多いが、実際にはこのような症状が続く場合、神経や内部臓器に問題がある可能性があるため、注意が必要だ。下記では、放散痛と関連痛について解説する。
痛みが発生している部位が実際の問題の部位から遠く離れている場合、その症状は主に放散痛と関連痛の二つに分類される。この二つの症状は、異常がない場所で痛みを感じるという共通点を持っているが、発生原因には大きな違いがある。
腕や脚などの四肢に痛みがある場合、放散痛である可能性が高い。放散痛は、感覚神経が通る特定の経路が狭くなり、神経が圧迫されることで発生する。圧迫された神経の周囲に痛みが広がり、他の部位でも痛みを感じるようになる。
一方、四肢以外の部位、例えば肩、肩甲骨、脇の下、鼠径部、骨盤などに痛みがある場合、関連痛である可能性が高い。関連痛は主に内部臓器に問題がある際に発生する。
内部臓器と繋がっている自律神経が刺激を受けると、その信号が脳に伝達される。この過程で、その経路に隣接する感覚神経も刺激され、全く関連のない部位で痛みを感じることになる。
放散痛と関連痛を治療するためには、まず実際の問題がある部位を治療する必要がある。痛みが発生している部位に関連する診療科を訪れ、その部位に異常があるかどうかを確認することが重要だ。
もし痛みの部位に異常がないと診断された場合、放散痛と関連痛を区別する必要がある。関連痛の場合、実際の痛みの部位に集中するのではなく、下痢、便秘、過度の発汗、呼吸困難などの内部臓器に関連する症状が最近あったかどうかを考慮し、これらの症状に対応する診療科を受診すべきだ。
放散痛、関連痛の判断が難しい場合は、神経科に相談することをお勧めする。