便秘に悩む人は多い。特別な疾患を患っていない場合、便秘の原因は主に3つに分類される。便の量や水分量が異常であったり、腸の動きが悪かったり、もしくは便意をうまく感じられなかったりすることだ。これらの原因を解決し、便秘を改善する生活習慣を見ていこう。
1. 食物繊維を摂取する
食事量が少ないとその分食物残渣も少なくなり、便の量が減る。便の量が少ないと、次の段階に進めず停滞してしまう。
食事量を増やすのが難しい場合、食物繊維が豊富な食品に置き換えるのが効果的だ。食物繊維を1g摂取すると、便の量が2.7g増加するという研究結果がある。これは食物繊維が食物残渣と水分を集めて膨らむ性質によるものだ。
ただし、体内の水分が不足すると便が硬くなり便秘の原因となる。食物繊維が体内の水分を吸収して排出されるためだ。水分摂取量が少ないのも問題だが、コーヒーや塩分の多い食事、アルコールなどの過剰摂取で利尿作用が高まるのも好ましくない。
2. 腸粘膜への刺激を減らす
腸粘膜への過度な刺激は腸を無力化し、蠕動運動を阻害する。腸粘膜を刺激する代表的な習慣は、無分別な便秘薬の服用と喫煙だ。
市販の便秘薬には腸を刺激する作用があり、安易に服用し続けると腸が無力化する。薬剤師や医師と相談の上で服用するべきだ。
タバコを吸わないと排便できないと訴える人もいるが、これはタバコに含まれるニコチンが腸粘膜を刺激するためだ。放置すると腸が無力化し、新たな便秘を引き起こしたり、症状を悪化させたりする。
3. 運動する
腸の運動機能が低下している場合、1日30分の歩行が推奨される。歩行量の少ない高齢者で便秘の有病率が高いという研究結果がある。活動量が少ないと腸の蠕動運動機能が低下する。
腸の運動機能が低下すると、便が溜まっていても腸が押し出せず便秘になる。1日30分から1時間歩くことが便秘解消に効果的だ。
4. トイレに長時間座らない
便意がない場合、トイレに長時間座るべきではない。排便欲求がないのに新聞やスマートフォンを見ながら無理にトイレに座る習慣は便秘を促進させる。腸や肛門が刺激に鈍感になってしまうためだ。トイレには便意を感じた時だけ座り、排便に集中すべきだ。
便を我慢する習慣も良くない。排便反射機能が抑制され、直腸に便が溜まっていても便意を感じにくくなる。便意を感じたら30分以内に排便するよう心がけた方がいい。