眼鏡は「第2の目」とも呼ばれる、私たちにとって欠かせないアイテムだ。しかし、適切な手入れを行っている人は意外に少ない。そこで、目の健康を守るための、正しい眼鏡のケア方法を紹介する。
まず、レンズを拭く際は必ず専用のメガネ拭きを使用することが重要だ。ティッシュやタオル、衣服で拭くと、レンズに微細な傷がつき、視界が歪んだり、光が乱反射して視力低下を招く恐れがある。
また、眼鏡を高温の場所に放置しないことが鉄則だ。サウナや温泉、炎天下の車内などに長時間置くと、レンズのコーティングが剥離しやすくなり、視界の歪みによる眼精疲労やめまい、頭痛の原因となることがある。眼鏡は涼しく乾燥した場所での保管を心がけ、高温環境下での着用は避けるべきだ。
汗による汚れも要注意点だ。汗に含まれる塩分は、フレームの金属部分を腐食させたり、レンズ表面を損傷させたりする可能性がある。汗が付着した場合は、中性洗剤を溶かした水に浸し、流水で洗浄後、専用の眼鏡拭きで丁寧に拭き取ることを推奨する。
片手での眼鏡の着脱も注意が必要だ。片側に負担がかかりフレームが歪む原因となるため、両手でていねいに扱う習慣をつけることが大切だ。
視力を守るためには眼鏡のケアとともに、定期的な眼科検診も重要となる。
加齢に伴う視界のぼやけや霧視を単なる老化現象と考えがちだが、加齢黄斑変性や黄斑円孔、白内障といった眼疾患の初期症状である可能性もある。
症状が軽度な場合や視力低下が気にならない場合でも、老眼と誤認して放置すると、視力が著しく低下し、最悪の場合は失明に至る可能性もあるため、定期検診による早期発見・治療が望ましい。
加齢黄斑変性や黄斑円孔、白内障は高齢者に特に多い疾患で、老眼と混同されやすい。老眼は加齢により水晶体が硬化し、弾力が低下することで調節力が衰え、近距離視力が低下する現象だ。
老眼は適切な眼鏡やリーディンググラスである程度対応できるが、黄斑円孔や加齢黄斑変性は眼鏡使用の有無にかかわらず視力回復が難しい点が大きな違いである。また、老眼では両眼の視力が同程度であることが多いが、片眼の視力が急激に低下する場合は加齢黄斑変性や黄斑円孔の可能性があるため、注意を要する。