30、40代に睡眠障害を経験した人は老後に記憶力が著しく低下し、認知障害を引き起こすリスクが高いという研究結果が発表された。
23日、カリフォルニア大学のクリスティン・ヤッフェ教授の研究チームは、学術専門誌「Neurology Journal」を通じ、30、40代に睡眠障害を経験した人々は老年期に認知症による記憶力低下や認知機能低下を発症する可能性が高いと発表した。
この研究は平均年齢40歳の参加者589名を対象に実施された。
研究チームはまず対象者に睡眠に関するアンケートに参加してもらい、5年後に再度アンケートに回答してもらった。
参加者は睡眠不足の程度に応じて、低（0〜1点）、中（2〜3点）、高（3点以上）に分類された。
研究チームはそれから15年後に参加者の脳をスキャンし、機械学習による脳画像に基づいて脳年齢を予測した。
研究結果によると、睡眠の質、早朝覚醒、入眠困難などが脳の老化と強く関連していることが明らかになった。
特に、初回から2回目のアンケートまで継続的に睡眠に問題を抱えている人は、脳の老化速度が明らかに速かったという。
十分な睡眠が取れていない場合、脳の老化は平均1.6から2.6年も加速することが分析された。
ヤッフェ教授は「規則的な睡眠や運動が重要で、就寝前のカフェインやアルコールの摂取を避け、各自がストレスを軽減する方法を持つことが必要だ」と述べた。
神経科学を専門とするスコット・カイザー博士は「深い睡眠を優先することは健康管理の観点から非常に重要だ」と強調した。
適切な睡眠は脳の健康システムと老廃物除去能力を維持してくれるが、夜間に頻繁に中途覚醒するなどの睡眠障害は記憶力低下や認知機能低下を引き起こし、認知症のリスクを一気に高める可能性がある。
良質な睡眠のためには、深く眠りにつける睡眠環境で毎日ほぼ同じ時間に規則的に就寝し起床することが大切だ。
また、就寝前にはストレスを感じずリラックスできるよう、温かいシャワーや入浴をし、比較的涼しい部屋で寝るとよいという。
午後遅くから夕方にかけてはディスプレイなどを用いた電子製品の使用を減らし、スマートフォンやテレビから発せられるブルーライトを遮断することが望ましい。