仁川世宗（セジョン）病院のリハビリテーションセンター長、キム・ナクファン氏は先月28日、「心臓疾患がある場合、無条件に安静にし、心臓や身体に負担をかける運動は避けるべきだと誤解している人が多い」と述べ、「定期的な運動やリハビリは、より健康な身体を維持し、心臓疾患の再発率を低下させる重要な治療過程であることを心に留めるべきだ」と助言した。
心臓リハビリプログラムには、個別の運動計画、食事療法、生活習慣の改善が含まれており、心血管疾患の再発リスクを減らすのに役立つ。リハビリで行われる運動療法は心肺持久力を向上させ、心筋の回復を促進し、血液循環を改善する。特に心臓疾患を経験した患者は運動能力が低下しやすいため、体系的な運動プログラムを通じて耐久力を高め、身体機能を回復することができる。これにより、患者の社会復帰や独立生活の維持にも良い影響を与える。
また、心臓疾患の患者はうつ病や不安といった精神的ストレスにさらされやすいが、心臓リハビリプログラムには心理カウンセリングやメンタルケアが組み込まれており、これにより心理的問題を軽減し、患者がより前向きに治療に取り組めるよう支援する。同じ病を持つ仲間との交流を通じて、社会的な支援を得て精神的な回復にも役立つ。
リハビリを受けた患者は、受けていない患者に比べて長期的な生活の質が向上し、死亡率が低いことが多くの研究で示されている。特に心臓手術後や心筋梗塞後の患者にとって、リハビリは死亡率の低下に重要な役割を果たす。
心臓疾患患者が日常生活で実践できる運動方法は心臓リハビリの理論に基づき、心血管の健康と体力を安全かつ効果的に向上させることを目指す。
有酸素運動は心臓と肺の機能を向上させる最も効果的な運動だ。心拍数や呼吸を上げ、心臓の健康を促進し、血圧やコレステロールを低下させるのに役立つ。
1日30分を目標に、会話ができる程度の速さでウォーキングを行い、1日60分を目標に中程度の強度で坂道を登りながら自転車を漕ぐこと、低体温に注意しながら水泳や水中ウォーキングを行うことが代表的な運動だ。
リハビリプログラムでは、有酸素運動に加えて筋力トレーニングも推奨される。筋力トレーニングは筋肉を強化し、全身の機能を向上させ、代謝を改善する。ただし、過度の重量を避け、自分の体重や軽いダンベルを使い、無理なく始めることが重要だ。
また、筋肉の緊張を緩和し、けがのリスクを減らす柔軟性やストレッチ運動も良い。これらは運動の前後に身体をほぐすために欠かせない。片足立ちや後ろ歩きなどのバランス運動は、加齢や心臓疾患による運動能力の低下に役立つ。
リハビリ中に心機能に問題が発生したり、運動が過度に身体に負担をかける場合、以下のような異常症状が現れることがある。
代表的な症状には、△胸の痛みや不快感 △重い息切れや息苦しさ △めまいやふらつき △非常に速い心拍や不規則な心拍（動悸） △極度の疲労や無力感 △四肢の痛みやしびれ △異常な発汗や冷や汗 △激しい頭痛 △手足のむくみや体重増加 △失神や意識消失などがある。
異常症状が出た場合は、直ちに運動を中止し、休息を取り、専門家の助けを求める必要がある。
キムセンター長は、「心臓疾患患者が有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟性運動、バランス運動をバランスよく組み合わせ、適切な強度で行う場合、長期的に心臓の健康を改善し、病気の再発を予防できる」と述べ、「専門医と共に個々の状態に合わせた運動計画を立て、継続的な管理とモニタリングを行いながら、安全な運動を維持することが重要だ」と話した。