朝食は、睡眠中に消費されたエネルギーを補い、代謝を活性化させることで、一日を元気に始める助けとなる。成長期の子供たちには特に重要だ。イギリスの主任栄養士フェデリカ・アマティ博士の見解に基づき、子供に最適な朝食について考えてみよう。
加工肉は発がんリスクを高める可能性がある
アマティ博士は「子供にハム、ソーセージ、チキンナゲットなどの加工肉を与えるべきではない」と強調している。
朝にナトリウム含有量の高い加工肉を摂取すると、過剰な水分吸収が血圧を上昇させ、脱水症状を引き起こし、疲労感や集中力の低下につながる恐れがある。
さらに、加工肉の摂取は発がんリスクも高める。加工肉の製造時に添加される塩分や保存料が腸内細菌のバランスを乱し、生成されるニトロソ化合物や多環芳香族炭化水素(PAHs)がDNAを損傷し、酸化ストレスを引き起こすことで、がん細胞の生成につながる可能性がある。
イギリス・オックスフォード大学の研究結果によると、1日に加工肉を70g以上摂取すると大腸がんのリスクが5%増加する。これは、ベーコン2枚分やハンバーガーの半分に相当する量である。
腸に炎症を引き起こす超加工食品も避けるべき
超加工食品にも注意が必要だ。冷凍食品、ファストフード、即席食品、加工飲料などが含まれる超加工食品は、加工と変形が何度も行われている。
国連食糧農業機関(FAO)は、カゼイン、乳糖、グルテン、マルトデキストリン、高果糖コーンシロップ、硬化油、香味増強剤などを含むものを超加工食品に分類している。
したがって、インスタント麺やお菓子などの人工的な食品だけでなく、パンやシリアルなど植物性の原料を使った食品も超加工食品に該当する。
これらの食品は糖分や脂肪が高く、食物繊維やビタミンなどがほとんど含まれないため、カロリーの質が低く、消化過程で腸に炎症を引き起こす可能性がある。
アマティ博士は「朝は身体の代謝が活発な時間であり、栄養価の高い食品を摂取して効率よく代謝を上げることが重要だ」と話す。
朝から超加工食品を摂取すると、血糖値が急激に上がり、その後急速に下がるため、エネルギーが早く消費されてしまい、代謝への負担が増し、肥満や代謝疾患のリスクを高める可能性がある。
本当に適した子どもの朝食とは?
では、子供に適した朝食とはどのようなものか。アマティ博士は「血糖指数(GI)が低く、糖分子が3つ以上結合した複合炭水化物を含む食品を摂取するのが理想的だ」と説明している。
子供の場合、炭水化物が素早くエネルギーに変わるため、エネルギーが求められる朝には質の良い炭水化物を十分に摂ることが重要だ。
雑穀や全粒粉などの全粒穀物に、魚や鶏肉などのタンパク質を適切に組み合わせ、栄養バランスを整えることが望ましい。
アメリカ・ハーバード大学の研究チームが8万1000人の食習慣を約8年間追跡調査した結果、加工肉を魚に置き換えると死亡率が25%減少し、鶏肉に置き換えた場合は17%減少した。
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