アメリカ疾病予防管理センター（CDC）が栄養密度が最も高い野菜を発表した。
韓国農水産食品流通公社（aT）農食品輸出情報（Kafi）によると、CDCは最近、最も健康的な野菜として「クレソン」を選定した。
クレソンは最も古い葉野菜の一つで、ヨーロッパと中央アジアが原産地である。冷たい流水で育ち、一般的には若芽をサラダとして食べることが多い。
クレソンには、苦味成分として知られるスルフォラファンが含まれており、この成分はアブラナ科の野菜に豊富である。スルフォラファンは抗がん作用、心血管疾患予防、血糖調整に優れた効果があるとされる。さらにクレソンはビタミンCが豊富でエネルギー回復に役立ち、鉄やカルシウムも多く含まれており、骨の健康や脳機能の向上にも良い影響を与える。
ただし、ビタミンKとシュウ酸も多く含まれているため、甲状腺ホルモンの代謝やヨウ素生成を阻害する可能性がある。そのため、長期間にわたって大量に摂取するのは控えるべきである。特に、胃腸や腎臓が弱い人や妊婦の摂取は避けるべきである。
クレソンのほかに、中国キャベツ、ビートの葉、ホウレンソウなども栄養密度の高い野菜としてランクインしている。これらの野菜はすべて栄養密度スコアで86以上を記録している。
栄養密度スコアは、食品のカロリーに対する必須栄養素の量を評価する指標である。CDCは、食品100gに含まれるカリウム、食物繊維、タンパク質、カルシウム、鉄分、ビタミンA、B6、C、E、Kなど17種類の必須栄養素の平均的な1日摂取基準を基に栄養密度を算出している。
これらの野菜はカロリーに対して、多くのビタミンとミネラルを提供するため、栄養密度が高いことで知られている。
中国キャベツには白菜、チンゲン菜、タチョイ（中国の葉野菜）が含まれている。チンゲン菜とタチョイはカルシウム、鉄分、ビタミンA、C、Kが豊富であり、白菜よりも栄養密度が高いが、白菜には葉酸と食物繊維が豊富に含まれている。
ケトリー・メディカル・ニュートリション・セラピーの共同所有者であるスコット・ケトリーは「3つともバランスの取れた食事に適しているが、特にタチョイはビタミンとミネラルの面で優れており、白菜は食物繊維、ビタミンC、葉酸の良い供給源である」と述べている。また「チンゲン菜はカルシウムとビタミンAの含有量が高く、骨の健康や免疫機能を支え、ビタミンCやベータカロテンといった抗酸化物質も豊富だ」と説明している。
中国キャベツ、ビートの葉、ホウレンソウなどの野菜にはビタミンA、E、Kのほか、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、鉄分といったミネラルも含まれている。特に、抗酸化作用や骨の健康をサポートするなど、さまざまな生理機能を支える優れた栄養密度を持っている。また、糖分が少なく、抗がん作用や代謝健康改善効果があるグルコシノレート（白菜）やカロテノイド（ホウレンソウ）といった生理活性化合物が含まれている。
一部の熱に弱い栄養素、特にビタミンCや抗酸化物質は調理時に損失することがある。たとえば、茹でるとビタミンC含量が最大50%まで減少するが、蒸すことでより多くの栄養素が保存することができる。
一方、ホウレンソウに含まれるベータカロテンなどの栄養素は、加熱により吸収率が向上することもある。
アメリカ農務省は1日あたり3〜5回の野菜摂取と2〜4回の果物摂取を目標とすることを推奨しており、これは一般的に1カップの生野菜または半カップの調理野菜に相当する。
aTニューヨーク支社の関係者は「CDCが選定した野菜は高い栄養密度を誇り、健康に有益な食品として評価されており、これらの野菜の中にはキムチの材料となる白菜も上位にランクインしている」と述べた。また「アメリカの食品輸出業者はCDCの野菜と果物の栄養密度評価をマーケティングに活用し、健康志向の消費者へのアピールに活かせる可能性がある」と付け加えた。