普段よりも5分多く運動するだけで、血圧低下に効果的であるという研究結果が明らかになった。
先月6日、イタリアのピサ大学とオーストラリアのシドニー大学の研究チームが、平均的な生活を送る人を対象に、1日5分以上の運動を追加した際、血圧がどう変化するかを分析した研究結果を発表した。
研究チームは参加者たちに活動追跡器と血圧計を提供し、日常的な睡眠、座位時間、ゆっくりした歩行、速歩、立位時間、高強度運動など6つの主要活動を記録した。参加者の1日平均は、睡眠7時間、座位10時間、立位3時間、ゆっくりした歩行1時間、速歩1時間、高強度運動16分だった。
研究の結果、低活動的な行動をより高強度の運動に置き換えると、血圧が迅速に低下することが判明した。1日5分以上の運動を追加すると、収縮期血圧が0.68mmHg、拡張期血圧が0.54mmHg減少した。これは、運動などの身体活動が血圧薬とは異なり、副作用なく健康的に血圧を下げられることを示している。
また、ピサ大学で進められた別の研究によると、4種類の血圧薬を1つに組み合わせた「QUADRO」を8週間服用した結果、収縮期血圧が平均20.67mmHg低下したという。しかし、この方法は様々な副作用を避けて通れない。参加者の平均年齢は57歳で、臨床試験開始時の平均血圧は収縮期150.3mmHg、拡張期90.0mmHgだった。
収縮期血圧を2mmHg、拡張期血圧を1mmHg下げると、心臓病や脳卒中などの心血管疾患リスクを10%減少させられる。スポーツ運動及び健康研究所のジョー・ブロウセット博士は「1日に10~20分の継続的な運動でこれらの目標を達成できる」と述べた。
短時間の自転車乗り、階段の乗り降り、家事、園芸、掃除など、中程度から高強度の身体活動も血圧低下に効果的だという。