手足が冷たくなる季節がやってきた。しかし、季節の変化による生理的な現象ではあるものの、手足の冷えが深刻で日常生活に支障をきたす人々もいる。
韓国のセラン病院神経内科のソン・ソンヨン部長は28日、「手足の冷えが酷い場合、血管系の問題か神経系の問題かを正確に診断することが、適切な治療への第一歩となる」と述べた。
また、「手足の冷え症は原因が非常に幅広いため、二次性の要因が疑われる場合には、関連疾患を治療することで、症状の悪化を防ぐことができる」と説明している。
手足の冷え症の原因の一つとして、血管系の問題が挙げられる。その代表例がレイノー症候群だ。寒さや強いストレスにより、皮膚が蒼白になった後にチアノーゼ(皮膚が青紫色になる状態)を経て、時間が経つと赤みを帯びるというレイノー現象が起こる場合がある。
レイノー症候群が疑われる場合、詳しい病歴の聴取や補助的な検査を通じて、一次性(特発性)か二次性(他の基礎疾患に起因するもの)かを見極めることが重要だ。二次性の場合、基礎疾患を特定して根本的な治療を行うことで、症状の進行を防ぐことができる。
レイノー症候群と似た症状として、血管攣縮が原因となるフラマー症候群もある。この症状は低血圧で痩せ型の女性に多く見られ、正常眼圧緑内障といった眼科疾患を伴うことがあるとされている。また、中年期以降に手足の冷えが現れた場合、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などが原因である末梢動脈疾患の可能性も考えられる。
手足の冷え症のもう一つの主な原因は、神経系の問題だ。その代表例が末梢神経障害である。末梢神経系は中枢神経系(脳と脊髄)を除く体中に広がる神経網のことで、体内のさまざまな器官の機能調節を担っている。末梢神経障害とは、これらの神経が損傷を受けることでさまざまな症状を引き起こす疾患であり、一般人口の1~7%、55歳以上では8%の有病率が報告されている。
末梢神経障害の最も一般的な症状は手足のしびれだ。感覚神経の機能が低下すると、手足の感覚が鈍くなるほか、無感覚になる場合もある。このため、怪我をしても気づかないことがあるという。
ソン部長は「末梢動脈疾患の場合、動脈硬化の進行を抑える治療が必要であり、末梢神経疾患では神経損傷を防ぐ治療と同時に、神経障害性疼痛に対する適切な薬物療法が症状の軽減に役立つ」と述べた。また、「積極的な治療とともに禁酒、禁煙、適度な運動、徹底した血糖管理を行えば、末梢動脈疾患や末梢神経障害の進行を遅らせ、症状を緩和することができるため、早期発見が非常に重要である」と強調した。