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2024年12月11日水曜日
ホームエンタメ結膜炎と見分けがつかない「失明の危険」…エルトン・ジョン、77歳での視力喪失から考える目の健康管理

結膜炎と見分けがつかない「失明の危険」…エルトン・ジョン、77歳での視力喪失から考える目の健康管理

引用:Shutterstock

イギリスのポップ界を代表するアーティスト、エルトン・ジョン(77歳)が、自身が作曲を手掛けたミュージカル公演を直接観ることができないほど視力を失ったことが判明した。

エルトン・ジョンは1日夜、ロンドンで開催されたミュージカル「プラダを着た悪魔」のチャリティー公演に姿を見せた。視力を失ったために多くのプレビュー公演に足を運べなかったとしながらも、「聴覚で楽しむことができて本当に素晴らしかった」と述べた。

この日の舞台では、夫のデイビッド・ファーニッシュへの感謝の意を示し、「彼は岩のような存在だ」と語った。ファーニッシュの支えを受けながら舞台を降りる様子も確認された。

先週、アメリカの番組『グッドモーニング・アメリカ』に出演した際には、「7月にフランス南部で感染症にかかり、右目の視力を失った。4か月間、ほとんど何も見えない状態が続いている」と明かし、左目も加齢の影響で完全な視力を維持できない状況にあることを語った。

これにより、スタジオでの録音作業が困難となり、次のアルバム制作に遅れが生じているという。

「いつかは回復するという望みはあるが、現時点ではすべてが停止している状態だ。アルバム制作や録音を再開する時期については未定」と語った。

このミュージカルは、同名小説を原作とする映画『プラダを着た悪魔』を基に制作された。ミュージカル版では、エルトン・ジョンが楽曲を担当している。

アメリカの女優兼歌手バネッサ・ウィリアムズが、映画でメリル・ストリープが演じたファッション誌編集長ミランダ・プリーストリー役を演じている。ミランダのキャラクターは、ファッション界に絶大な影響力を持つアナ・ウィンター氏がモデルとされている。

エルトン・ジョンの感染症については、具体的な病名や原因は明らかにされていないものの、昨年フランスの別荘で転倒した際に眼の感染症を発症したとされる。海外メディアの多くは、結膜炎やぶどう膜炎などによる視力障害が原因である可能性を指摘。外傷によってもぶどう膜炎が引き起こされる可能性があるとされている。

かゆみを伴う結膜炎、3〜4日が山場

視力喪失の原因となる眼疾患の大半は加齢に起因するが、「ぶどう膜炎」は年齢を問わず発症する。アメリカでは失明原因の第5位に位置し、同国の失明患者の10〜15%がぶどう膜炎によるものとの統計が報告されている。

目の充血や痛みがある場合、眼の炎症が疑われる。代表的な炎症性疾患として「結膜炎」が挙げられ、一般的な症状のため軽視されがちだ。しかし、結膜炎に似た症状を示す「ぶどう膜炎」の可能性も考慮する必要がある。

結膜は、まぶたの裏側や眼球表面を覆う薄い粘膜で、この部分に炎症が生じた状態を「結膜炎」と呼ぶ。

主な原因はウイルスや細菌の感染、化学物質や埃によるアレルギー反応だ。症状は原因により異なるが、かゆみ、充血、異物感、流涙などが一般的である。結膜炎は発症から3〜4日が症状のピークとなり、その後徐々に改善に向かう特徴がある。

治療は原因に応じて異なるが、多くは抗生物質が使用される。適切な治療を受ければ合併症のリスクは低いが、まれに角膜混濁や角膜潰瘍により視力低下や永続的な障害を引き起こすことがある。特に高齢者、小児、コンタクトレンズ使用者は二次感染のリスクが高く、注意を要する。

ぶどう膜炎、再発リスクが高く治療が難しい疾患

ぶどう膜炎は、眼球を取り巻く「ぶどう膜」に炎症が生じる疾患である。ぶどう膜は血管が豊富な組織で炎症を起こしやすく、周囲の水晶体や網膜に炎症が波及する可能性が高い。適切な治療がなされない場合、失明に至ることもある。また、結膜炎と症状が類似するため、見過ごされることも少なくない。

ぶどう膜炎の主症状には、痛み、出血、まぶしさがある。結膜炎とは異なり、目やにの分泌やかゆみを伴わないのが特徴だ。また、強い光を浴びた際の目のくらみや視力低下も、ぶどう膜炎に特徴的な症状とされる。目の充血や視界のぼやけなど、視力に異常を感じた場合は、眼科での精密検査が推奨される。

ぶどう膜炎は治療が困難で、再発を繰り返すことの多い疾患である。それ自体が視力低下を引き起こすこともあるが、視神経や黄斑部(視力の中心を担う部分)に炎症が及んだ場合、著しい視力低下が見られることがある。さらに、白内障、緑内障、網膜前膜、硝子体出血などの合併症を引き起こすこともあり、重症化すると視力喪失につながる可能性がある。

細菌や寄生虫の感染、外傷なども原因となり得る。診断が難しく再発も多い疾患であるため、症状を自覚した際は速やかに眼科を受診することが重要である。

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