睡眠を妨げる食品といえば、まず思い浮かぶのはコーヒーだろう。コーヒーに含まれるカフェインは、不眠症や不安感、心拍数の増加、吐き気、胃酸過多などを引き起こし、深い眠りを妨げる要因となる。しかし、睡眠に影響を及ぼすのはコーヒーだけではない。ここでは、意外と見落とされがちな3つの食品について紹介する。
アブラナ科の野菜
ブロッコリーやカリフラワー、キャベツなどのアブラナ科野菜は、栄養価が高く、特に食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富だ。しかし、この中で睡眠の妨げとなるのが食物繊維である。食物繊維は消化に時間がかかり、大腸まで到達すると腸内細菌によって分解される。この過程が体を活性化させるため、就寝前に摂取すると眠りを妨げる可能性がある。
脂っこい・辛い・高タンパク質食品
脂っこい食品、辛い食品、そしてタンパク質が多い食品も、睡眠の質を低下させる要因となる。脂っこい食品は消化が難しく、胃腸が働き続けるため体が十分にリラックスできない。辛い食品は体温を上昇させ、入眠を妨げる原因となる。一方、タンパク質は分子が大きく消化に多くのエネルギーを必要とするため、特に寝る前に摂取すると消化不良や不快感を引き起こしやすい。
酸性の強い食品
トマトのような酸性食品も注意が必要だ。トマトはビタミンCや鉄分、リコピンなど健康に良い栄養素を多く含むが、その酸性の強さが問題となる。就寝前に摂取すると胸焼けや消化不良を引き起こしやすく、特に胃の弱い人には不向きだ。
良質な睡眠のためのヒント
睡眠を促進する食品も存在する。例えば、バナナには筋肉の弛緩を助けるカリウムと、睡眠ホルモンであるメラトニンの前駆物質であるトリプトファンが含まれている。また、ナッツ類にはマグネシウムが豊富で、神経を落ち着かせる効果が期待できる。それでも、本当に質の高い睡眠を目指すなら、少なくとも就寝の2時間前からは何も食べないことがベストだろう。
その代わり、ラベンダーの香りを楽しんだり、カモミールティーを飲んだりしてリラックスする方法を試してみてほしい。韓国の仁済（インジェ）大学の研究によると、ラベンダーの香りは睡眠関連の脳波を増加させ、覚醒関連の脳波を抑制する効果があるという。また、アメリカの研究では、カモミールティーが睡眠の質を改善し、ストレスや不安を軽減することが確認されている。