オートミールはダイエット食品の代表格である。調理が簡単で手軽に摂取でき、低カロリーで食物繊維が豊富なため、満腹感が長く続く。ただし、過剰に摂取すると健康に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要だ。
米紙「ニューヨーク・タイムズ」が選んだ「10大健康食品」の一つにオートミールがある。オートミールは、タンパク質や必須アミノ酸、カルシウム、鉄分、カリウム、マグネシウム、リンなど、多くの微量栄養素を含んでいる。特に食物繊維が豊富で、少量でも十分な満腹感を得られるのが特徴だ。
しかし、過剰摂取により腹部の膨満感や不快感を引き起こすことがある。オートミールに含まれる食物繊維は胃で消化されず腸まで到達し、腸内細菌によって発酵される。この過程で発生するガスが原因で腹部が膨張するのだ。そのため、ガスが溜まりやすい人や過敏性腸症候群を抱える人は、オートミールの摂取に注意が必要だ。特に下痢を起こしやすい人は、食物繊維を過剰に摂取すると症状が悪化するリスクが高まる。
胃腸に問題がない場合でも、オートミールの摂取量には注意が必要だ。1回あたり40gを目安に、1日1～2回の摂取が推奨されている。この量であれば、食物繊維の1日推奨摂取量の30～60%を補うことが可能だ。さらに、オートミールを選ぶ際にはその種類も重要である。ダイエットや血糖値管理を目的とする場合は、スチールカットオーツが最適とされている。
オートミールは主にスチールカット、ロールド、クイックの3種類に分類される。スチールカットは全粒オーツを小さくカットしたほぼ未加工のもの。ロールドは蒸したオーツを薄く延ばして乾燥させたもの。クイックは粒が細かく手軽に調理できるが、血糖値が急上昇しやすいという特徴がある。
ある研究では、健康な成人30人を対象に、同量の炭水化物を含むスチールカットオーツとクイックオーツを摂取させ、血糖値の変化を比較した。その結果、スチールカットオーツの方が血糖値のピークが低く、インスリンの分泌量も少なかった。この違いは、粒子のサイズが小さいほど消化・吸収が速くなることが原因だ。したがって、糖尿病や血糖値に関連する疾患がある場合は、加工度の低いスチールカットオーツを選ぶことが推奨される。