人間は34歳、60歳、78歳の3つのタイミングで急激に老化が進むと言われている。超高齢化社会を迎えた今、「健康で長生きする」ことは誰もが願うテーマだ。人生における3回の急激な老化の転換点を乗り越え、「緩やかな老化」を実現する方法がある。
30〜40代になると、体重増加や代謝異常が目立ち始める。この時期の生活習慣は老化の速度を大きく左右する。一日中座りっぱなしの仕事、不規則な食事やデリバリー食品の利用、運動不足などは老化を促進する要因となる。また、正座や長時間同じ姿勢を続けて足がしびれるような状況も、活性酸素の生成を促進する原因となる。
さらに、強度の高い運動を急に中断することも、活性酸素を多く生成する。無酸素運動は筋肉への酸素供給を一時的に停止させる。このとき、脳は酸素不足を感知し、酸素供給を強化しようとする。しかし、運動を突然やめると、筋肉内に残った酸素が活性酸素へと変化してしまう。激しい運動を終える際には、動きを徐々に緩めることが重要である。これにより、酸素が少しずつ消費され、活性酸素の生成を抑制できる。これに加え、喫煙や過食、ストレス、紫外線なども活性酸素を増加させる要因であり、これらを避ける生活習慣が求められる。
50〜60代になると、心血管疾患や脳血管疾患をはじめとする血管系の疾患リスクが高まる。高血圧、高脂血症、糖尿病といった慢性疾患を適切に管理しなければ、70〜80代で命に関わる深刻な病気に発展する可能性がある。この年代は特に健康管理の徹底が必要だ。
70〜80代ではフレイル、いわゆる虚弱状態に直面することが多い。フレイルは食欲の低下、体重減少、筋力低下、歩行速度の低下、認知機能の低下などの症状として現れる。その主な原因はサルコペニア(筋肉量の減少)だ。栄養バランスの乱れ、身体活動の減少、薬の副作用、社会的交流の減少が複合的に影響する。年齢に応じた「老化対策」を取り入れることが、健康で長生きするための鍵となる。