バナナは熟成度によって健康への影響が変わる。
◆ 緑色のバナナ
緑色のバナナには、腸の健康とがん予防に効果的な抵抗性デンプンが豊富に含まれている。抵抗性デンプンは腸内細菌によって発酵・消化される炭水化物で、黄色いバナナの20倍含まれる。
ブラジリア大学の研究によると、毎日緑色のバナナを1本食べたグループでは、下痢や便秘などの胃腸症状が軽減し、大腸がんのリスクも低下した。また、米国がん研究協会の学術誌には、未熟なバナナの抵抗性デンプンが遺伝性大腸がん(リンチ症候群)の予防に役立つとする研究結果が掲載されている。
ダイエット中の人には緑色のバナナがおすすめだ。抵抗性デンプンは満腹感を長時間持続させ、食欲を抑制し、代謝を促進するからだ。
◆ 黄色いバナナ
一方、消化が苦手な人には黄色いバナナが適している。バナナが熟すにつれて抵抗性デンプンが糖に変わり、抵抗性デンプンが減少するため消化しやすくなるからだ。普段から胃腸が弱かったり、ガスがたまりやすく不快感を感じる人は、黄色いバナナを食べるのが良い。
熟すほど、ビタミンB群、ビタミンA・C、鉄、マグネシウム、マンガン、カリウムなどのミネラルが豊富になる。特にビタミンCの含有量は他の色のバナナより高い。ビタミンCは活性酸素を除去する代表的な抗酸化物質だ。
◆ 茶色い斑点のあるバナナ
黄色いバナナがさらに熟すと、茶色い斑点が現れる。これはバナナのデンプンが糖に変化したためだ。この茶色い斑点は「小さな免疫システム促進剤」の役割を果たす。有害な細胞を破壊し、がんに対する免疫力を高める効果がある。