祝日に楽しむことが多い牛肉は、タンパク質が豊富で味も優れている。ただし、部位によっては味や食感が大きく異なる。ここでは、美味しい牛肉の見分け方について見てみよう。肉の色、脂の状態、霜降りの分布、肉の繊維などを観察すれば簡単に見分けられるはずだ。
◆ 美味しい牛肉の選び方
牛肉の品質は、色や脂の状態、霜降りの分布、肉の繊維で判断できる。肉の色は新鮮さを示す明るい紅色を帯びているものが望ましい。肉色基準のNO.3~NO.5がこれに該当する。
脂は乳白色(NO.1、NO.2)であれば新鮮で、品質が優れている。脂が肉の間に細かく広がっている霜降り、すなわちマーブリングも重要な要素だ。マーブリングが均一に広がっているほど、肉の味と柔らかい食感が向上する。
部位ごとの特徴も考慮する必要がある。カルビは焼き用と煮込み用に分かれる。煮込み用は脂肪と筋が少ない方が良い。また、調理前に筋膜を取り除く必要がある。焼き用は筋膜が少なく、紅色を帯びており、マーブリングが適度なものが良い。
すね肉と腹バラ肉はスープを煮る時によく使われる部位だ。これらは筋膜が適度にあることで深い味わいを出し、長時間煮るとさらに柔らかくなる。串焼きなどに使われるもも肉は筋膜がなく、肉の繊維が均一であることが望ましい。
◆ 美味しい牛肉の焼き方
牛肉を美味しく焼くためには、肉の選び方から準備過程、焼き方まで細心の注意を払う必要がある。各段階を適切に行うことで、肉の風味と食感を最大限に引き出すことができる。
まず、肉の厚さは2~3cm程度が理想的だ。この厚さが肉の風味をよく引き出しつつ、バランスの取れた調理を可能にする。焼く前に肉を室温で30分ほど置くと、内部温度が均一になりやすい。冷たいまま焼くと、表面だけ焼けて中が生焼けになることがある。肉の表面は必ず乾いた状態にしておく。キッチンペーパーで表面の水分を拭き取ると、焼いている間に表面がカリッと焼け、美味しそうな焼き色がつく。塩は焼く直前に振りかけるのが良い。好みに応じて胡椒やオリーブオイルを加えてもよい。
焼く際は火加減が重要だ。フライパンやグリルは事前に十分に熱しておく必要がある。表面が熱いほど、肉を置いたときに表面が素早く焼け、肉汁が逃げにくくなる。強火で肉の片面を約1~2分焼いた後、裏返して反対側も同様に焼く。肉をあまり頻繁に裏返さず、一度に各面をしっかりと焼くことがポイントだ。
肉の焼き加減を確認するには、料理用温度計を使用するのが最も正確だ。ミディアムレアなら内部温度が55~57度、ミディアムなら60~65度が適温だ。焼き加減を確認した後、肉をフライパンから取り出し、数分間休ませるとさらに柔らかく、風味が深まる。この休ませる時間は約5分程度で、この間に肉内部の肉汁が再び均等に行き渡る。
最後に肉を切る際は、肉の繊維に対して直角に切ることが重要だ。このようにすることで筋肉繊維を短く切ることができ、歯ごたえを和らげつつ、柔らかい食感を保つことができる。
◆ 牛肉ステーキと相性の良い付け合わせ
牛肉と最も相性が良い付け合わせはジャガイモ料理だ。マッシュポテトは滑らかな食感と香ばしい味わいでステーキの濃厚な風味を引き立てる。ローストポテトやフライドポテトは外はカリッと、中はホクホクとした食感で、噛む楽しみを増してくれる。
焼き野菜もステーキと素晴らしい組み合わせになる。アスパラガス、ブロッコリー、プチトマト、ニンジン、キノコなどの様々な野菜をオリーブオイルとハーブで味付けして焼くと、味と栄養を同時に楽しめる。特にアスパラガスは特有の香ばしい風味で、ステーキの味を引き立てる。
さっぱりとしたサラダも牛肉ステーキと好相性だ。ルッコラのような少し苦みのある野菜をベースにしたり、レモンドレッシングを添えたサラダは、肉の風味を引き立てつつ、こってり感を和らげてくれる。ここにナッツや果物を加えると、甘みと食感の変化が生まれ、さらに多彩な味わいを楽しむことができる。