空腹時に食事をすれば、当然ながら満たされるものだ。しかし、空腹感は胃や腸、脳、膵臓、血流など、さまざまな器官の複雑な相互作用によって生じる。単に食べる量を増やしたからといって満腹感が得られるわけではなく、むしろ食べるほど空腹を感じやすくなる食品もある。今回は、そんな「食べるほどお腹が空く食品」を紹介する。
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白パン
白パンは、小麦粉から外皮を取り除いて作られる。この製造過程で食物繊維が大幅に失われる。食物繊維は満腹感を持続させる重要な役割を果たしているため、これが不足するとカロリーを摂取してもすぐに空腹を感じてしまう。さらに、白パンを食べると血糖値が急上昇し、それに伴ってインスリンが大量に分泌される。しかし、その後インスリン値が急激に低下することで、再び強い空腹感が生じるのだ。スペインの研究によると、白パンを1日2回以上食べる人は、肥満になる確率が40%以上高いことが分かっている。
塩味のスナック
塩味のスナックを食べた後に、無性に甘いものが食べたくなった経験はないだろうか? これは、塩味のスナックが消化されやすく、血糖値の変動が大きいためだ。インスリン値が急降下すると、脳が糖分を求めるようになり、結果として甘いお菓子が食べたくなる。また、「食事の胃」と「おやつの胃」は別に存在するという説がある。塩味のスナックで満腹になったつもりでも、それが甘いものへの欲求を満たすわけではないため、次から次へと違うものが食べたくなり、結果的に食べ過ぎてしまうのだ。
人工調味料・人工甘味料
食品のうま味を引き出すために使われるMSG(グルタミン酸ナトリウム)には、食欲を40%増加させる作用があるという研究結果がある。MSGを頻繁に摂取する人は、そうでない人に比べて肥満のリスクが3倍以上高いとされる。これは、脂肪細胞に関わるホルモン「レプチン」がMSGによって鈍感になるためだ。また、炭酸飲料やゼロカロリー飲料に含まれる人工甘味料も、食欲を増幅させる原因となる。人工甘味料は脳に「甘いものを摂取した」と錯覚させるが、実際にはエネルギーが供給されないため、脳がさらなる糖分を求めるようになる。さらに、人工甘味料は本物の砂糖と同じくらいインスリン値を上昇させ、結果的に食欲を増大させるのだ。