缶詰開封後は10分待ってから食べるのが安全という事実、あまり知られていない。これはフランという化合物が原因だ。
今月5日の海外メディア「ヘルス朝鮮」の報道によると、フランは揮発性の高い発がん性物質だ。国際がん研究機関(IARC)が人体への発がん性物質に分類しており、動物実験でもがん発生リスクを高めることが証明された。人体でがんを引き起こすかは確実ではないが、蒸気で吸入すると呼吸器を刺激し、高濃度で露出されると肺水腫を引き起こす可能性がある。長期間にわたり摂取すると腎臓が損傷するリスクもある。

フランは調理する過程でも自然に生成される。特に糖とアミノ酸が高温にさらされると副反応として発生するのだ。しかし、通常の調理では揮発性が高いため空気中に飛散し、問題にはならない。問題は缶詰だ。缶詰は密封状態で加熱製造されるため、フランがそのまま閉じ込められている可能性が高い。
幸いなことに、フランは空気にさらすだけでも減少する。缶詰を開封した後10分放置するだけでフランが揮発するのだ。さらに効果的にフランの危険性を減らすには、缶から食品を別の容器に移し、細かく切るとよい。加熱してもフランの大部分が消失するため、缶詰を温めるのも効果的だ。韓国の研究でも、開封した後の放置や加熱でフラン濃度が減少することが確認されている。
特に乳幼児はフランに注意が必要だ。過去に韓国・東国大学校のイ・グァングン教授チームが韓国で販売されている缶詰、飲料、離乳食など密封した後に加熱する方法で製造される加工食品300種以上を調査した結果、フランを含む製品が見つかった。研究チームは「検出されたフランの量は成人には特に問題はないが、乳幼児や子供には慎重な対応が必要だ」と強調した。離乳食に缶詰を使用する場合は、必ず加熱するか細かく切った後、十分に換気することが望ましい。
フランが最も多く検出されたのは肉類の缶詰で、平均32.16ppbだった。続いて離乳食(29.93ppb)、水産物缶詰(29.40ppb)の順だった。以前、韓国の食品医薬品安全処による研究でも同様の結果が出ている。肉類・ツナ・水産物缶詰のフラン含有量が最も高く、野菜類缶詰、穀類・豆類缶詰、果物缶詰の順でフランの量が含まれていることが分かった。