全粒穀物・野菜類・豆類・キノコ・海藻類に豊富な食物繊維、体重管理に役立つ

「健康的な体重管理」は、多くの人にとって重要な課題だ。しかし、極端な食事制限ではなく、バランスの取れた栄養摂取が求められる。炭水化物(米、パン、麺類など)、タンパク質(卵、肉、魚、豆類など)、脂質(肉、魚、ごま油など)、ビタミン(野菜、果物など)、カルシウム(乳製品など)を適切に摂取することで、体の機能を正常に維持できる。特に、体内で合成できない必須栄養素は、食事を通じて摂取する必要がある。
炭水化物の減らしすぎで筋肉量減少、集中力低下
厳しいダイエットを決意し、炭水化物をほとんど摂取しないとどうなるか。体内ではタンパク質が分解され、ブドウ糖(炭水化物)として合成・利用される。つまり、タンパク質を削って不足した炭水化物を補うことになる。その結果、筋肉の減少につながる可能性があるということだ。特に、ブドウ糖は赤血球や脳細胞、神経細胞の主なエネルギー源であるため、不足すると集中力や記憶力の低下を招き、神経機能にも影響を及ぼす。一方、炭水化物を過剰に摂取すると脂肪酸に変換され、体内に脂肪として蓄積されるため、体重増加の原因となる。
ダイエット中でも炭水化物30%は必要!推奨される食品は?
では、炭水化物の適切な摂取量はどの程度なのか?大韓肥満学会によると、炭水化物を食事全体の30~50%程度にすることで、安全にダイエットできるという。ダイエット中でも最低30%は摂取すべきであり、脂質は40%未満、タンパク質は20~30%に抑えるのが理想的だ。炭水化物の中でも、GI値(血糖値の上昇度)の高い白米、餅、ジャガイモ、シリアルよりも、雑穀や全粒穀物などGI値の低い食品を選ぶのがよい。GI値の高い食品は食後に血糖値を急上昇させ、インスリン分泌を促進する。インスリンは脂肪の合成と蓄積を促すため、GI値の高い食品を頻繁に摂取すると体脂肪が増加しやすくなる。
濃縮ジュースよりも生の果物
炭水化物の中でも、砂糖、果糖ブドウ糖液糖、水飴、蜂蜜、シロップ、濃縮果汁などの添加糖は控えるべきだ。特に、濃縮果汁や液状ブドウ糖などを含む甘い飲料は満腹感を得にくく、過剰摂取につながりやすい。これによりインスリンの分泌が促され、血糖値が急激に上昇しやすくなる。その結果、体重増加や糖尿病、心血管疾患のリスクが高まる恐れがある。疾病管理庁の資料によると、添加糖の摂取は1日の総カロリーの10%以下に抑えるのが望ましいとされている。100%果汁と表示されている製品でも、わずかに添加糖が含まれている場合があるため注意が必要だ。一方、果物に含まれる糖分は食物繊維とともに摂取されるため、血糖値の急上昇を抑える効果がある。健康的に糖分を摂取するには、生の果物をそのまま食べるのが理想的だ。
健康的に痩せる食品とその理由
全粒穀物、野菜類、豆類、キノコ、海藻類には豊富な食物繊維が含まれており、これらの食品は体重管理に効果的だ。食物繊維は消化酵素で分解されにくく、大腸まで届いて血糖値の上昇を緩やかにする。また、満腹感を持続させるため、食べ過ぎを防ぐ効果もある。さらに、食物繊維は腸内の有益菌を増やし、コレステロールの吸収を抑える役割も果たす。成人の1日あたりの食物繊維摂取推奨量は、男性で25g、女性で20gとされている。しかし、精製・加工された食品には食物繊維がほとんど含まれていないため、できるだけ自然の状態で摂取することが望ましい。