食品医薬品安全処が「ビタミンK2」を健康機能食品成分として許可し、人々の関心が高まっている。早ければ来年3月から韓国でビタミンK2栄養剤を購入することができる見通しだ。ビタミンK2成分は骨の健康を維持する効果があると知られているが、これまで韓国では健康機能食品の原料として使用することが禁止されていた。直販サイトを通じて購入してまでもビタミンKを摂取する理由とは何か、ビタミンKが与える効能と効果的な服用方法について調べてみよう。
健康機能食品成分として許可されたビタミンK
ビタミンKは代表的な脂溶性ビタミンで、K1とK2の二つの形で存在している。これまではK1のみが健康機能食品公典に登録されており、ビタミンK2は韓国で健康機能食品として登録されておらず、ビタミンK2補充用製品は海外直販サイトを通じて購入が行なわれていた。
代表的な脂溶性ビタミンのうちの一つ
ビタミンは大きく分けて、水に溶ける性質を持つ水溶性ビタミンと油に溶ける性質を持つ脂溶性ビタミンに分けられる。ビタミンKは脂溶性ビタミンで、食餌性脂肪と共に摂取すると最もしっかりと吸収できるという。摂取時間は決まっておらず、食事中いつでも摂取できるのが利点といえるだろう。
どのビタミンを選ぶべきか?
ビタミンK2は大きく、化学溶剤で抽出した製品と50℃以下の低温で二酸化炭素と高圧により抽出する超臨界製品に分けられる。ほとんどはヘキサンなどの化学溶剤を使用するが、化学溶剤で抽出すると100%除去することが難しく、溶剤が残留する場合があるという。一方、二酸化炭素を活用した抽出法は、二酸化炭素が再び気体として蒸発するため、溶剤が残らず安全なのだ。
ビタミンKの主な役割
ビタミンKは主に血液凝固に効果的だといわれている。適切なタイミングで血液が凝固しない場合、皮膚に傷を負っただけでも過度な出血が起こり死亡に至ることもあるため、重要な機能だと言えるだろう。それだけでなく、骨の内部にカルシウムを均等に分配し、カルシウムが骨に吸収されるのを促進させ、骨の健康を維持するのに役立つといわれている。
ビタミンKの副作用
ビタミンKによる副作用の事例は多くない。ほとんどが安全な成分であり、上限摂取量も決まっていないほどだ。しかし、医薬品に使用される合成ビタミンK3は肝臓毒性の危険性があるため、健康機能食品の原料としては使用されていない。副作用がみられる場合はビタミンKの成分自体ではなく、製品の原料に対するアレルギー反応によってあらわれるものといえるだろう。
ビタミンK1とK2の違い
血液凝固作用を促すビタミンK1は、光合成が可能な濃い緑色の葉を持つ植物から合成され、「植物性ビタミンK」とも呼ばれている。ほうれん草やキャベツなどの緑色の葉物野菜に多く含まれていて、摂取したビタミンK1のほとんどは体内で腸内の善玉菌によってビタミンK2に変換されるという。ビタミンK2はカルシウム代謝などの骨代謝や心血管疾患の予防に効果的で、カルシウム結合に関与する「オステオカルシン」というタンパク質の生成を促す。ビタミンK2は主に肉や納豆、青汁などの発酵食品や卵黄などから摂取することができる。
ビタミンK数値が低い場合は?
ビタミンKの数値が低いと、あざができやすく、軽傷による出血も長引いたりする。鼻血が頻繁に出る場合には、ビタミンK数値をチェックしてみる必要がある。また、最近では肺機能が弱くなる可能性があるという研究結果も出ている。欧州呼吸器学会で発表された研究によると、ビタミンKの低値は喘息や慢性閉塞性肺疾患、喘鳴と関連する可能性があると明らかになった。このことから、ビタミンKによる肺健康への関心がますます高まってる。
効果的な服用方法は?
ビタミンK2は骨の健康に重要な栄養素とされ、主にビタミンDと共に摂取する。らに吸収を促すためにマグネシウムを共に摂取する場合もあり、脂溶性ビタミンなので食事中または食事の直後に摂取すると良いだろう。
過剰摂取も大丈夫なのか?
韓国の成人の1日のビタミンK摂取量は男性の場合75ug、女性の場合65ugといわれているが、一般的な食品で補うには不足する可能性があるため、十分な摂取量以上を服用する必要がある。またサプリメントは主に腸を通じて吸収されるが、摂取した量がそのまま吸収されるのではなく、平均30%程度しか吸収されないため必要とされている量より多く摂取しても構わないのだ。
ビタミンKを多く含む食品は
ビタミンK1は濃い緑色の野菜、ケール、ほうれん草、キャベツなどに多く含まれており、植物に由来することから「フィトナジオン」と呼ばれたりもする。一方、メナキノンと呼ばれるビタミンK2は発酵食品やチーズに多く、ヨーグルトやキムチにも含まれている。