激しく運動して汗を雨のように流した後、「汗をたくさんかいたから体内の脂肪もたくさん落ちただろう」と考える。
我々は体内の脂肪を除去するためにダイエットをする。そして、ダイエット時に必須なのが汗をかくこと。厚い上着を着て走ったり、運動したり、サウナに行ったりする。
人々は通常、汗の中に脂肪と老廃物が溶け込んで体外に排出されると考えるからだ。
しかし、汗をかいたからと言って痩せるわけではない。体内の脂肪は汗を通じて排出されない。汗を通じて排出されるのはただの水だけだ。夏にはただ立っているだけで汗が流れるが、脂肪が排出されるわけではない。
実際に体から脂肪を排出させるのは呼吸と断食だ。
我々は運動や他の身体活動を行う際、必要なエネルギーを得るために内部の脂肪を燃やす。そして、この過程では大量の酸素が必要となる。細胞は吸収した酸素を利用して蓄えられた脂肪を分解し、その際に二酸化炭素と水が生成される。こうして生成された二酸化炭素は血流を通じて肺に運ばれ、呼吸により排出される。
また、我々が何も食べず、空腹状態のとき、体は基本的な生命維持機能のために血糖を消費する。そして、この血糖が枯渇すると、体は脂肪貯蔵庫を動員して脂肪を分解し、必要なエネルギーに変換する。
これがまさに脂肪を除去する原理だ。したがって、運動をしたのに汗が出なかったからといって脂肪が落ちないわけではないし、汗が多い人が他の人より汗をたくさん流すからといって脂肪がよく落ちるわけでもない。