太陽嵐の謎が400年ぶりに解明された。
先月12日から世界で観測されたオーロラは、太陽嵐により発生した。太陽嵐はオーロラをもたらす一方で、地球の磁場を乱し、電力網、無線通信網、衛星システムに被害を与える可能性がある。太陽嵐を予測するためには、太陽の磁場活動の根本的な原理を理解することが重要である。
17世紀のガリレオ・ガリレイが太陽黒点を観測して以来、400年間にわたり科学界は太陽の磁場生成原理を明らかにするために努力してきた。最近、英国エディンバラ大学のジェフリー・バシル教授の研究チームが新たな数値シミュレーションを活用し、太陽の磁場生成位置を明らかにした。
研究チームは、太陽表面近くのガスとプラズマの運動パターンを計算した結果、太陽の磁場活動が太陽表面下約20,000マイル(約32,000km)の地点で始まることを明らかにした。これは、従来の「深層理論」が主張する太陽表面下約130,000マイルの地点から始まるという主張とは異なる。
従来の理論では、太陽表面近くで起こる「ねじれ振動」現象を説明することができなかった。太陽は固体ではないため、緯度により自転速度が異なり、ねじれが発生する。このねじれ振動は、太陽の内外部のガスとプラズマの循環パターンで、11年周期で繰り返される。
研究チームは、太陽の磁場活動の極大期も11年周期で戻ってくるという事実に着目し、ねじれ振動を説明できる新たな数値シミュレーションを開発した。NASAのスーパーコンピュータを利用して太陽表面近くのガスとプラズマの運動パターンをシミュレーション分析した結果、太陽の磁場の源が太陽表面下約20,000マイルの地点で始まることが確認された。
この研究結果は、太陽嵐の予測と被害対策に重要な意味を持つ。研究チームは、1859年にカナダを襲い、初期の電信システムを破壊した「キャリントン・イベント」を引き合いに出し、太陽嵐の危険性を強調した。研究チームは、キャリントン・イベントと同等の太陽嵐がアメリカを襲った場合、約1兆から2兆ドル(約156兆円~314兆円)の被害が発生すると予想した。
この研究は、太陽の磁場生成原理を明らかにし、太陽嵐の予測と被害対策に貢献すると期待される。